2026.09.04
アメリカ(米国)|Fビザ(学生ビザ)等のルール変更について(9/15〜)

米国土安全保障省(DHS)は2026年7月16日、F(学生)・J(交流訪問者)・I(外国報道関係者)の各ビザについて、滞在期間の管理方式を根本的に変更する最終規則を発表し、翌17日に連邦官報へ公示しました。長年運用されてきた「Duration of Status(D/S:在留資格維持期間)」が廃止され、2026年9月15日以降は入国時に具体的な滞在期限が定められる方式へ移行する予定です。
対象は留学・研究・文化交流・報道の各目的で米国に滞在される方 および その帯同家族で、滞在期間の上限のほか、転校・専攻変更・教育レベル変更に関する新たな制限も導入されます。
米国へ留学等の上記該当するビザで渡航を予定されている方は、渡航前に入学証明書・資格証明書(I-20/DS-2019)の記載内容と入国記録(I-94)の滞在期限をご確認いただき、必要に応じて所属機関の指定学校職員(DSO)・責任担当官(RO)や移民法専門家へご相談いただくことをお勧めいたします。
※ 施行差止めを求める訴訟について9月3日に連邦地方裁判所で審尋が行われましたが、同日時点で決定は出されておらず、現時点では9月15日の施行を前提とした対応が必要な状況です。
在アメリカ合衆国日本国大使館|米国の学生査証(ビザ)等のルール変更について
- 2026年9月15日以降、F(学生)・J(交流訪問者)・I(外国報道関係者)ビザでの入国は「D/S(在留資格維持期間)」ではなく期限付きの許可となり、入国記録(I-94)に具体的な満了日(Admit Until Date)が記載される予定です
- Fビザの学生には、教育レベルの変更・専攻変更・転校に関する新たな制限が課されるほか、語学研修課程は24か月、公立高校は通算12か月という滞在期間の上限が設けられます
- 施行日時点で米国内にいらっしゃる方には経過措置が設けられていますが、施行日以降に一度出国して再入国されると、この経過措置の対象から外れる点にご留意ください

新制度の内容とF(学生)ビザ等で米国へ渡航・滞在予定の方への注意点
最終規則発効後は、F(学生)・J(交流訪問者)・I(外国報道関係者)の各在留資格で新たに入国 または 再入国される方に対し、入国審査時に具体的な滞在期限が付与されます。
従来のように「学業を適切に継続している限り滞在できる」という運用ではなくなり、期限を超えて滞在される場合は、米国市民権・移民局(USCIS)へ滞在延長(EOS:Extension of Stay)を申請するか、一旦出国して米国税関・国境警備局(CBP)から新たな入国許可を得る必要が生じます。
Fビザの学生の場合、付与される期間はI-20記載のプログラム期間(最長4年)に、到着のための30日間と、修了後の出国準備のための30日間を加えたものとなります。この出国準備期間は、従来の60日間から30日間へ短縮されています。
施行日をまたぐ渡航をご検討の方へ下記該当のビザで2026年9月15日よりも前に米国に入国された場合、従来のD/S(在留資格維持期間)の枠組みで入国審査を受けていることになりますが、施行日以降に米国を出国して再入国された場合、米国税関・国境警備局(CBP)により新たな期限付きの入国許可が付与されます。すでにD/Sで滞在されている方であっても、一時帰国や第三国への渡航の後に米国に再入国された時点で、下記表に記載した経過措置の適用対象から外れることになりますのでご注意ください。

【Fビザ】一部のプログラムに設けられる滞在期間の上限
Fビザの学生のうち、以下の課程に在籍される方については、上記の原則とは別に固有の上限が設けられます。
語学留学や高校留学をご検討中の方は、特にご確認いただくことをお勧めいたします。
- 語学研修(English language training)課程:滞在期間は24か月が上限とされ、これに出国準備のための30日間が加算されます
- 公立高校(チャータースクール等、米国の公費で運営される同種の学校を含む):学期休みや年次休暇を含めた通算で12か月を超えて課程を修了することはできないとされています
- 国境通勤学生(border commuter students):従来どおり、期限を定めた形での入国許可が付与されます
【Fビザ】学業上の変更に関する新たな制限
滞在期間だけでなく、在学中の進路変更についても新たな制限を設けています。
学部・大学院のいずれに在籍されるかによって取扱いが異なりますので、進学や転校を視野に入れて留学を計画されている方は、事前に詳細をご確認ください。
併せて、課程の終了後については、より低い教育レベルの家庭への入学(例:修士課程から学士課程へ)と、同じ教育レベルの家庭への入学(例:学士課程から別の学士課程へ)が、いずれも禁止されます。

【Fビザ】滞在延長(EOS)の手続き等
在籍中のプログラムの修了、新たなプログラムの開始、または卒業後OPT・STEM OPTへの参加のために追加の期間が必要となる場合、I-94のAdmit Until Dateを超えて滞在されるには手続きが必要です。EOSを申請される場合の流れは、まず所属校のDSOにご相談のうえ、EOSの推薦が記載された新しいI-20の交付を受け、そのうえで様式I-539「Application to Extend/Change Nonimmigrant Status」を期限内に提出し、所定の手数料の納付と生体情報の提供を行う、というものです。
もう一つの選択肢として、いったん米国を出国し、再入国時にCBPから新たな入国許可を得る方法も公式に示されています。有効な査証をお持ちの方は、更新されたSEVIS記録と証明書類に基づき、新たな期間が記載されたI-94の交付を受けることが可能とされています(入国資格・入国適格性の要件を満たすことが前提となります)。どちらの方法が適切かは個々のご事情によって異なりますので、DSOへご相談いただくことをお勧めいたします。
制度変更の背景
在留資格維持期間(D/S)は、Fビザについては1991年、Jビザについては1993年から運用されてきた枠組みで、Iビザについても1980年代半ばから同様の取扱いがなされてきました。入国記録に満了日を記載せず、学業や取材活動を適切に継続している限り滞在を認めるこの方式は、30年以上にわたり米国の標準的な運用でした。
米国国土安全保障省(DHS)は今回の規則について、これらの在留資格を永住権取得への「橋渡し」ではなく、あくまで一時的な滞在資格として位置付け直し、資格維持状況をより的確に把握することを目的として説明しています。
報道によりますと、2024会計年度にFビザで米国へ入国した留学生は約180万人(前年度比11%増)、報道関係者は約3万7,000人(同15%増)とされています。なお、米国に取材拠点を置く日本の新聞・通信・放送15社は、報道関係者向けビザの変更について再考を求める意見をDHSへ提出していたと報じられています。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年9月4日)における公開情報に基づいています。本最終規則の施行日・運用の詳細は、係属中の訴訟における裁判所の判断または議会審査により、今後変更される可能性があります。
- 渡航前に必ず米国土安全保障省(DHS)・米国市民権・移民局(USCIS)の公式サイト、および所属される教育機関・受入機関の最新案内をご確認ください。なお、Study in the StatesおよびICE.gov/SEVPの各ページは9月15日以降に新規則の内容を反映して更新される予定とされており、それまでの間はQuick FactsページおよびFAQページが参照先となります。
- 仮差止命令の申立てに関する審尋は2026年9月3日に実施されましたが、本記事作成時点で裁判所の判断は示されていません。施行日(9月15日)までに一時的差止命令(TRO)または仮差止命令が発せられた場合、本記事に記載の施行日・適用内容は変更されます。渡航直前に必ず最新の状況をご確認ください。
- 教育レベルの変更・専攻変更・転校に関する制限には、SEVPがやむを得ない事情と認めた場合の例外が設けられています。個別の事情が例外に該当するかどうかの判断は所属校を通じた手続きによりますので、DSOへご確認いただくことをお勧めいたします。
- 滞在延長(EOS)の申請条件・必要書類・手数料等については、USCISの公式案内をご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、移民法上の助言を行うものではありません。記事内容に基づいて生じた渡航上の損害・不利益、入国拒否、滞在資格の喪失その他の事態について、当サイトは一切の責任を負いません。

