2026.07.15
ロシア|最近のトラブル事例(入国時の長時間尋問、定期預金の凍結)について

ロシアでは現在、空港の入国審査において別室に案内され数時間に及ぶ聴取を受ける事例や、モスクワ首都圏の空港が無人機(ドローン)飛来への対応により発着制限を頻発させている状況が続いています。
あわせて、2026年6月1日付の大統領令第377号により、日本を含む「非友好国」出身者が保有する銀行の定期預金について、払い戻しに上限が設けられる措置も導入されました。ロシアへの渡航を予定されている方、また現地の銀行に口座をお持ちの方は、入国手続きの長期化やフライトスケジュールの変更に加え、預金の取り扱いにもご注意ください。
渡航前には外務省海外安全ホームページや在ロシア日本国大使館の最新情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
また在ロシア日本国大使館は、無人機飛来に対する安全確保のため、モスクワの空港で航空機の離着陸時刻の変更や便の変更が頻繁に発生しているとして注意を呼びかけています。
- モスクワ首都圏の主要空港(シェレメチェボ、ヴヌコヴォ、ドモジェドヴォ、ジュコフスキー)では、無人機飛来への対応により、発着制限やフライトの遅延・欠航が頻発しています。
- ロシア入国時、日本人を含む欧米・アジア諸国籍の方が空港の別室に案内され、数時間に及ぶ追加の聴取を受ける事例が報告されています。
- 2026年6月1日付の大統領令第377号により、日本を含む「非友好国」出身の非居住者が保有する銀行の定期預金について、月間1,000万ルーブルを超える払い戻しが制限される措置が導入されました。
モスクワへ渡航・滞在される方への注意喚起
モスクワの空港をご利用の際は、出発前に航空会社の公式サイトやアプリでフライト状況をご確認いただくことをお勧めいたします。
無人機飛来への対応で発着が急に制限される場合があるため、空港へは余裕を持って早めにご移動ください。
日本とロシアの間には現在直行便運航がなく、中国や中東などを経由する便をご利用になる方が多いため、モスクワ側での遅延が乗り継ぎ便に影響する可能性もあわせてご留意ください。また、到着時刻が大きく変わることがありますので、現地での出迎えを予定されている場合は、出迎えの方とすぐに連絡が取れない可能性も考慮しておくことをお勧めします。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 影響を受ける 可能性のある空港 |
・シェレメチェボ国際空港(SVO) ・ヴヌコヴォ空港(VKO) ・ドモジェドヴォ空港(DME) ・ジュコフスキー空港(ZIA、ラメンスコエ) 防空作戦の実施状況に応じて、これら4空港のいずれか、または複数が同時に発着制限の対象となります 制限中は「関係当局との調整のうえで」運航する扱いとなり、便のキャンセルや遅延、他空港への振り替えが発生します |
| その他の交通機関 | 現時点で、鉄道・地下鉄・バス等の公共交通機関に大きな影響が生じているとの情報は確認されていません 今後の状況変化にはあわせてご注意ください |
空港での入国審査の長時間化について
ロシア入国時、パスポートコントロールまたは別室にて、渡航目的などについて係官から質問を受けるケースが、日本国籍者を含む欧米・アジア諸国からの入国者について見受けられます。
報道では、モスクワの空港で「追加審査が必要」として別室に案内され、所持品の提示を求められたうえで数時間を要したとする実際の体験も伝えられています。別室での聴取や、まれに入国そのものを拒否される事例も引き続き報告されています。
銀行の定期預金に関する制限措置について
2026年6月1日、ロシア大統領は大統領令第377号に署名し、2022年3月の大統領令第95号(非友好国の債権者への支払いに関する暫定措置)の対象に、銀行の定期預金を新たに加えました。
これにより、日本を含む「非友好国」に関連する非居住者(外国人駐在員等を含む)がロシアの銀行に保有する定期預金について、元本と利息をあわせた払い戻しが、銀行あたり月間1,000万ルーブルを上限とする取り扱いとなっています。上限を超える分は、資金使途が厳しく制限される特別口座「C口座」に振り替えられ、事実上引き出しが難しくなります。
この1,000万ルーブルという基準は預金者ごとではなく銀行単位での合算とされているため、少額の預金であっても凍結の対象となる事例が報告されています。
参考:日本貿易振興機構(JETRO)|非友好国企業の支店・駐在員事務所などの定期預金払い戻しに上限設定
- 「預金額が1,000万ルーブル未満でも凍結された」とする情報は、現時点では報道や利用者の証言に基づくものであり、ロシア中央銀行による統一的な公式見解は明らかになっていません。銀行によって対応が異なるとの指摘もあるため、確定的な運用ルールとしてではなく、参考情報としてご参照ください。
背景:ウクライナ情勢をめぐる対抗措置と防空体制の強化
2022年2月のウクライナ侵攻開始以降、ロシアは日本を含む約50の国・地域を「非友好国」に指定し、これらの国に関連する債権者への支払い制限などの対抗措置を段階的に強めてきました。今回の定期預金への措置は、その延長線上にあるものです。
一方、モスクワ首都圏では2026年春以降、ウクライナ軍による長距離無人機を用いた攻撃が活発化しており、ロシア側の防空システムが迎撃を行う際に空港周辺の空域が一時的に制限されることが、発着制限や便の遅延・欠航につながっています。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年7月15日)における公開情報に基づいています。ロシアの出入国審査の運用状況、空港の発着制限、および銀行預金に関する規制の詳細は、今後変更される場合があります。
- 渡航前に必ず外務省海外安全ホームページおよび在ロシア日本国大使館・各総領事館の最新情報をご確認ください。
- 無人機飛来に伴う空港の発着制限は今後も予告なく実施される可能性があり、フライトスケジュールが変更される場合があります。
- 銀行預金の取り扱いに関する措置は、金融機関や個々の状況により対応が異なる場合がありますので、詳細は各銀行窓口または専門家にご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、入国審査による遅延・入国拒否、または預金の払い戻し制限等について、当サイトは一切の責任を負いません。

