2025.12.04
コンゴ民主共和国|カサイ州におけるエボラ出血熱の終息を宣言

2025年12月1日、世界保健機関(WHO)は、コンゴ民主共和国が、エボラ出血熱の最後の患者が2025年10月19日に治療センターから退院して以降、42日間新たな症例が報告されなかったことを受け、エボラ出血熱の流行終息を宣言した旨発表しました。
WHO 及び パートナー機関の支援を受けた保健省による迅速かつ協調的な対応が、道路・通信インフラが限られた農村地域であるカサイ州で発生したウイルスの拡散を食い止める上で決定的であったと報告されています。今回の流行では計64症例(確定53例、疑い11例)と45名の死亡が記録されました。
今回の流行は、1976年にエボラ出血熱が確認されて以来、同国で16回目であり、カサイ州では2007年及び2008年にも流行が発生しています。同国は、現在90日間の疾病監視強化を開始しており、WHOは、引き続き国内及び地方当局と緊密に連携し、警戒を維持するとともに、再発時の迅速かつ効果的な対応のため準備態勢を整えています。
○ 12月1日付WHOアフリカ地域事務所による発表(英文)
https://www.afro.who.int/countries/democratic-republic-of-congo/news/democratic-republic-congo-declares-end-of16thebola-outbreak
< エボラ出血熱について >
エボラ出血熱は、エボラウイルスが引き起こす、致死率が高い極めて危険な感染症です。患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れた際、皮膚の傷口などからウイルスが侵入することで感染します。ヒトからヒトへの感染は、家族や医療従事者による患者の看護や葬儀の際の遺体への接触を通じて起きることが報告されています。
エボラ出血熱に対しては、WHOの承認を受けたワクチンがワクチン提供に関する国際調整グループ(ICG)により備蓄されており、早期に治療を受けることで生存率が上がることが期待されます。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり、嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると、皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ、死に至ります。
アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに、エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液や動物に直接触れないようにすることが重要です。
エボラ出血熱に感染しないよう、以上を参考に、感染者が発生している区域には絶対に近付かないようにし、感染者又は感染の疑いがある人との接触は避け、野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの)を食さないなど、エボラ出血熱の感染予防を心掛けてください。
(参考)
〇 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
○ 厚生労働省検疫所(FORTH)
https://www.forth.go.jp/moreinfo/topics/name48.html
○ 国立健康危機管理研究機構(JIHS)
https://id-info.jihs.go.jp/diseases/a/ebola-hemorrhagic-fever/index.html
(現地在外公館連絡先)
○ 在コンゴ民主共和国日本国大使館
住所:372、 Avenue Colonel Mondijiba、 Concession Immotex、 Ngaliema、Kinshasa、Republique Democratique du CONGO
電話:081-555-4731~34(代表)
国外からは(国番号243)81-555-4731~34
緊急用電話:081-880-5059
国外からは(国番号243)81-880-5059
HP: https://www.rdc.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html


