2026.06.11
エボラ出血熱に関する注意喚起(6/11更新)

2026年5月15日、アフリカ疾病予防管理センター(CDC)は、コンゴ民主共和国イツリ州におけるエボラウイルス病のアウトブレイクを公式に確認しました。現時点で同国内イツリ州 、北キブ州、南キブ州、また、ウガンダでの症例が確認されています。
コンゴ民主共和国保健当局は、国立公衆衛生研究所(INSP)による エボラ特設サイト を開設し、24時間ごとに状況報告書(SITREP)を作成・公表しています。また、保健省による Xアカウントで日々の感染状況等も頻繁に更新されています。引き続き、正しい情報の入手に努めていただきますようお願いいたします。
また2026年5月17日、世界保健機関(WHO)は、コンゴ民主共和国 及び ウガンダにおけるエボラウイルスの一種であるブンディブギョウイルスによるエボラ出血熱の流行が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」に該当する旨を決定しました。
アフリカ疾病予防管理センター(Africa CDC)|Ebola Virus Disease Outbreak in Ituri Province, DRC
- アフリカCDCが2026年5月15日に確認:イツリ州で疑い例246例・死亡65例(確定例のうち死亡4例)、ウイルスはザイール型ではない非ザイール株の可能性(塩基配列解析中)
- 州都ブニアや鉱山労働者の人口移動が多いモンワルでも疑い例が拡大しており、ウガンダ・南スーダンとの国境を越えた感染拡大をアフリカCDCが強く懸念
- 同地域への渡航予定の方は、現地の感染状況を継続的に確認し、野生動物や感染疑い患者との接触を厳に避けることが求められます
当地へ渡航・滞在される方への注意喚起
イツリ州はもともと武装勢力による治安上のリスクが高い地域ですが、今回のエボラ出血熱アウトブレイクの確認により、感染症リスクも加わった二重の危険状態にあります。州都ブニアでも疑い例が報告されており、同地域に滞在中または渡航予定の方は、以下の点に注意してください。
ウガンダ および コンゴ民主共和国は、Kanungu県Ishasha地区・Kisoro県Kyeshero地区の国境検問所2か所(いずれもウガンダ南西部)を閉鎖し、国境沿いの警備を強化しています。また、ウガンダに入国するすべての乗客は、Passenger Locator Form を記入の上、QRコードおよび確認番号の取得が必要となっております。
なお、WHOは現時点でコンゴ民主共和国への渡航・貿易制限を勧告していませんが、状況は急速に変化する可能性がありますので、安全確保に十分ご留意ください。
エボラ出血熱の潜伏期間が2日〜21日とされていることから、コンゴ民主共和国またはウガンダの感染発生地域に渡航または滞在されている方は、日本入国後に検疫官に最大21日間の健康状態の報告を行うこととされています
厚生労働省検疫所(FORTH)|コンゴ民主共和国とウガンダ共和国におけるエボラ出血熱に係る注意喚起について

エボラ出血熱流行国からの入国者に対する一時的な制限を設けている国など
アメリカ(米国)
2026年5月18日、国務省は疾病予防管理センター(CDC)と連携し、21日以内にウガンダ、コンゴ民主共和国 および 南スーダン共和国への訪問歴のある外国人の米国への渡航を禁止した、としています。
※ 本措置は30日間有効で状況に応じて更新される可能性があります
※ 米国市民、合法的永住者、米軍関係者、海外駐在の政府職員、その配偶者および子供には適用されません
米国国務省(U.S. Department of State)|United States Responds to Ebola Outbreak in Africa
カナダ
2026年5月26日にカナダ公衆衛生庁は、コンゴ民主共和国・ウガンダ・南スーダンの居住者を対象に、以下の書類の効力を停止すると発表しました。
(既に承認済みの書類も含みます。また、これらの申請に対する最終決定も90日間保留にするとしています)
・一時滞在ビザ(Temporary Resident Visa)
・電子渡航認証(eTA)
・永住権ビザ(Permanent Resident Visa)
・学生許可証・就労許可証(申請中のもの)
また、上記対象3か国に過去21日以内に滞在したカナダ市民、永住者、外国人等について、2026年5月30日~8月29日までの入国者に対し、21日間の隔離措置を行うとしています。
※ 自己隔離場所がない場合はカナダ政府が隔離施設を提供
※ 有症状者は病院へ移送・隔離(検疫法に基づく措置)
タイ
2026年5月27日午後6時以降、コンゴ民主共和国またはウガンダから到着する旅行者、あるいはこれらの国を経由してタイに入国する旅行者は、バンコクのスワンナプーム国際空港からのみ入国が許可されます。
また、到着後には両国からの渡航者全員に対し、感染症対策担当官による健康診断が行われ、症状の有無にかかわらず21日間の強制隔離を義務付けるとしています。
なお対象地域からタイへ入国する外国人旅行者は、入国前後の健康確認に対応できるよう、Thailand Digital Arrival Card(TDAC)に正確な情報を登録することが求められます。また、タイ国籍者については、Thai Health Pass を通じて必要情報を登録する必要があります。
韓国
韓国では、エボラ出血熱の流行地域に滞在または経由した渡航者に対し、入国時の検疫手続きが強化されています。
韓国疾病管理庁(KDCA)は、強化検疫の対象地域に滞在・経由した人に対して、Q-CODEまたは健康状態質問書による申告を求めています。報道では、韓国がコンゴ民主共和国、ウガンダ、南スーダンを重点的な検疫管理対象として扱い、入国時の検疫措置を強化していることが伝えられています。
対象国から韓国へ入国する場合、通常の入国審査に加えて、健康状態の確認や追加の検疫手続きが求められる可能性があります。また、韓国外交部はウガンダに対する渡航警戒レベルを引き上げており、コンゴ民主共和国の一部地域、特にイトゥリ州などについても、より厳しい渡航上の注意喚起を行っています。
インド
インドでは、保健家族福祉省傘下の保健サービス総局(DGHS)が、エボラ出血熱流行国からの渡航者に向けた健康勧告を発出しています。対象は、コンゴ民主共和国、ウガンダ、南スーダンなどの流行国から到着、またはこれらの国を経由してインドへ入国する旅客です。インド当局は空港での監視・スクリーニングを強化していると報じられています。
対象となる渡航者は、発熱、強い倦怠感、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢、原因不明の出血、喉の痛みなどの症状がある場合、入国審査を受ける前に、空港の検疫担当官またはヘルスデスクへ直ちに申告する必要があります。
また、エボラ出血熱の疑い例または確定例の血液・体液に直接接触した人についても、同様に申告が求められます。
インドの勧告では、到着後21日以内にこれらの症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診し、渡航歴を保健当局へ伝えるよう呼びかけています。あわせて、空港で実施される健康確認や、国際保健規則に基づく公衆衛生上の措置に協力することも求められています。

アラブ首長国連邦
UAE政府は、エボラ出血熱に係る水際措置として、
(1)コンゴ民主共和国、ウガンダ 及び 南スーダンの国民に対する新規ビザの発給停止、
(2)コンゴ民主共和国、ウガンダ 及び 南スーダンからの、経由を含めたUAEへの入国制限措置を導入しました。
【国家緊急危機災害管理庁(NCEMA)関連投稿】
https://x.com/NCEMAUAE/status/2062839611551109389
本措置はUAE当局の運用により、今後変更される可能性もありますので、最新の公式情報をご確認ください。
ヨルダン
2026年5月19日、ヨルダン内務省は、コンゴ民主共和国及びウガンダにおけるエボラ出血熱の感染拡大を踏まえ、同月20日からの30日間、ヨルダン国籍者を除き、両国からの全ての渡航者のヨルダン入国を禁止することを決定しました。
コンゴ民主共和国及びウガンダへの渡航を予定している方は、上記の期間、その後のヨルダン入国が禁止されることを念頭に、渡航計画の再考をご検討ください。
タンザニア
5月18日付のタンザニア保健省発行トラベルアドバイザリー第17号において、コンゴ(民)及びウガンダでのエボラ出血熱発生を受け、タンザニア入国旅行者を対象とした入国地点での新たな水際措置が発動されました。同トラベルアドバイザリー記載内容は以下のとおりです。
コンゴ民主共和国 または はウガンダを経由して到着又は通過する全ての旅行者は、出発前に以下ウェブサイト、又は機内・到着時に提供される用紙にて、記載フォームを提出することが義務付けられます。
全ての入国地点(空港、陸上国境、港湾)において、全旅行者の体温測定を含む健康スクリーニングが実施されます。エボラ出血熱又はその他の感染症の兆候・症状が疑われる者は、国家入出国検査標準作業手順に従って対応されます。
全ての旅行者に健康情報が提供され、エボラ出血熱又はその他の感染症の兆候・症状について自己監視を行い、最寄りの医療機関又は無料電話番号199に報告するよう指導されます。また、全ての旅行者 及び 輸送事業者は、手指衛生、消毒剤の使用、不必要な身体的接触の回避など、感染予防措置を遵守する必要があります。
エボラ出血熱又はその他の感染症の疑いのある人物、貨物、又は遺体を運んだ輸送手段は、感染拡大防止のため、入国地点において除染処置が行われます。
エチオピア
2026年5月26日現在、公式発表は行われていませんが、エチオピア航空はコンゴ民主共和国からエチオピアに渡航する乗客(乗り継ぎ含む)に対し、出発前に Traveler Health Declaration Form から健康状態の申告を行うように求めています。
一方、南スーダンからエチオピアのボレ国際空港に乗り継ぎのため到着した邦人についても、同国際空港職員から当該申告を行うように指示を受けた旨、在南スーダン日本国大使館に連絡が入っておりますので、念のため当該申告を出発前までに行うよう推奨いたします。
ボツワナ
2026年5月28日、ボツワナ保健省は、コンゴ民主共和国 及び ウガンダにおけるエボラ出血熱流行を受け、空港及び陸路国境等を含む全ての入国地点における水際措置強化を発表しました。
発表された主な措置内容は以下のとおりです。
・全ての入国者に対する体温検査及びエボラ関連症状(発熱、頭痛、筋肉痛、衰弱、下痢、嘔吐、腹痛、原因不明の出血)のスクリーニング実施
・過去21日以内にコンゴ民主共和国、ウガンダ又はその他のエボラ影響地域を訪問した旅行者に対する詳細な渡航歴確認
・エボラ出血熱の症状がある又は高リスク接触歴がある旅行者の隔離及び指定医療施設への搬送
・航空機で到着する全ての乗客に対する健康申告書の記入・提出義務
ナイジェリア
ナイジェリア連邦政府は、東部および中部アフリカ地域の一部で流行しているエボラ出血熱(Bundibugyo ebolavirus: BEBOV)の国内流入を防止し、公衆衛生および医療体制を維持するための予防的措置の一環として、以下の水際措置を実施しています。
・全ての入国者に対する検温(非接触型体温計、サーモグラフィー等を使用)
・入国時の健康申告書の提出及び渡航歴の確認
・指定空港等の入国地点におけるスクリーニングの強化
・ウイルス性出血熱が疑われる症状を有する渡航者に対する二次検査、隔離及び医療機関への搬送体制の稼働
< 健康申告書(Health Declaration Form)の提出 >
ナイジェリア政府は、ナイジェリアへ入国する全ての入国者に対し、健康申告書(Health Declaration Form)の提出を求めています。今後ナイジェリアへ入国される方は、以下のポータルサイトから事前に申告書を提出するよう努めてください。
◎ナイジェリア疾病予防管理センター(NCDC)ポータルサイト
https://healthapp.ncdc.gov.ng/index.html
※ナイジェリア入国前または到着時の提出が求められています。
赤道ギニア
2026年6月4日、赤道ギニア政府公式ウェブサイトに掲載された発表によれば、コンゴ民主共和国 及び ウガンダで影響を及ぼしているエボラ出血熱の状況を踏まえ、赤道ギニア政府は以下の水際措置を導入するとしています。なお、本件は現地当局の運用により変更される可能性もありますので、渡航を予定されている方は、最新の公式情報をご確認ください。
・コンゴ民主共和国及びウガンダからの全渡航者に対し、入国時に義務的な検疫及び徹底的な健康診断が実施されます。
・政令により、対象渡航者は感染の可能性を排除するため、一般地域へ入域する前に検疫期間を経ることが義務付けられます。
(参考)赤道ギニア政府公式ウェブサイト
https://www.guineaecuatorialpress.com/noticias/guinea_ecuatorial_podra_en_cuarentena_a_viajeros_de_congo_y_uganda_ante_la_amenaza_del_ebola
エボラ出血熱について
エボラ出血熱は、エボラウイルスが引き起こす、致死率が高い極めて危険な感染症です。患者の血液、分泌物、排泄物などに直接触れた際、皮膚の傷口などからウイルスが侵入することで感染します。ヒトからヒトへの感染は、家族や医療従事者による患者の看護や葬儀の際の遺体への接触を通じて起きることが報告されています。
エボラ出血熱に対しては、WHOの承認を受けたワクチンがワクチン提供に関する国際調整グループ(ICG)により備蓄されており、早期に治療を受けることで生存率が上がることが期待されます。潜伏期間は2日から21日(通常は7日程度)で、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛・食欲不振などに始まり、嘔吐・下痢・腹痛などの症状があります。更に悪化すると、皮膚や口腔・鼻腔・消化管など全身に出血傾向がみられ、死に至ります。
アルコール消毒や石けんなどを使用した十分な手洗いを行うとともに、エボラ出血熱の患者(疑い含む)・遺体・血液・嘔吐物・体液や動物に直接触れないようにすることが重要です。エボラ出血熱に感染しないよう、以上を参考に、感染者が発生している地域には絶対に近付かないようにし、感染者又は感染の疑いがある人との接触は避け、野生動物の肉(bush meatやジビエと称されるもの)を食さないなど、エボラ出血熱の感染予防を心掛けてください。
(参考)
○厚生労働省ホームページ:エボラ出血熱について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708.html
○厚生労働省検疫所
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name48.html
○国立感染症研究所:「エボラ出血熱とは」
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/342-ebola-intro.html
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年5月15日)におけるアフリカCDCおよび各機関の公開情報に基づいています。
エボラウイルス病の感染状況・当局の対応は急速に変化する場合があります。
- 渡航前に必ずアフリカCDC・WHO・外務省(海外安全情報)・厚生労働省検疫所(FORTH)の最新情報をご確認ください。
- 現地の治安状況・感染拡大の進展によっては、渡航中止勧告や入国制限措置が取られる場合があります。
- 今後の情報更新によって対応ワクチン・治療薬に関する推奨内容が変更される可能性があります。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、感染症による健康被害等について、当サイトは一切の責任を負いません。

