2026.08.25
アゼルバイジャン|ビザ政策緩和・eVISA拡充を段階的に実施へ

2026年8月20日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領が「アゼルバイジャン共和国における2026〜2030年観光開発国家プログラム」を承認する大統領令に署名しました。
同プログラムには、
・ビザ免除対象国の拡大
・複数回入国用の電子ビザ(eVISA)の実運用開始
・電子ビザ および 到着ビザ(VISA on Arrival)対象国の拡大
・「デジタル旅行者」向けビザの新設といったビザ政策の緩和方針
などが盛り込まれており、現在のビザ・出入国関連の要件に及ぶものとなっています。
ただし、いずれも2026〜2030年に段階的に実施される計画段階の措置であり、現時点で各国国籍者の入国要件が変更されたわけではありません。渡航をご予定の方は、今後の情報をご確認いただき、ご出発時点で有効なビザ要件を公式情報でご確認くださいませ。
- ビザ免除の対象を「ターゲット観光市場」において最終的に34市場まで拡大する目標が示されました
(対象とする市場=対象国の具体名は未公表です) - ASAN Visa(電子ビザ)システムを改修し、観光目的の複数回入国eVISAの発給開始や、eVISA・到着ビザの対象国拡大を2026〜2027年に予定しています
- 日本国籍の方は、2026年7月1日から2027年7月1日までの特例措置によりビザ免除の対象となっており、今回の発表による現行制度の即時変更はありません

国家プログラムに盛り込まれたビザ関連措置の詳細
現地報道によりますと、ビザ政策に関する主な措置は以下のとおりです。
ビザ免除対象国の拡大については、一般旅券保持者を対象に、一方的 または 相互主義に基づいてビザなし渡航制度を導入するための国内手続きを進めるとされています。
なお、ここで示されている「34市場」は、新たに34か国を追加するという意味ではなく、既存のビザ免除国も含めた合計の目標値である点にご留意ください。(どの国が対象となるかは、現時点で一切公表されていません)
| 措置 | 内容 | 実施予定時期 |
|---|---|---|
| ビザ免除対象国の拡大 | 一般旅券保持者を対象に、一方的または相互主義でビザなし渡航制度を適用 中間目標28市場、最終目標34市場 |
2026〜2030年 |
| 複数回入国eビザの実運用 | 観光目的の複数回入国電子ビザを発給できるよう、ASAN Visaシステムの手続きと技術的機能を更新 | 2026〜2027年 |
| eビザ対象国の拡大 | 電子ビザ制度を適用する新たな対象国リストを策定し、当該国籍者への発給を可能にする | 2026〜2027年 |
| 到着ビザ制度の見直し | 国境でのビザ発給について、期限を定めない恒常的な運用の可否を検討 (対象国の拡大も想定) |
2026〜2027年 |
| 「デジタル旅行者」ビザの新設 | 国際的な事例調査、移民法典の改正案作成・調整を経て、新たなビザ区分を電子形式で発給開始 | 2027〜2028年 |
日本国籍の方の現在の入国要件
今回のプログラムは中長期の計画であり、日本国籍の方の現行の入国要件を直ちに変更するものではありません。
在アゼルバイジャン日本国大使館の案内によりますと、2026年7月1日から2027年7月1日までの期間、有効な日本国旅券をお持ちの方は、期間中3回まで、1回の入国につき30日以内の滞在についてビザが免除されます。
在アゼルバイジャン日本国大使館|アゼルバイジャンへの日本国籍者の査証免除措置等について
アゼルバイジャン共和国国家観光庁(Dövlət Turizm Agentliyi)|ビザに関する事項(ビザ免除国・到着ビザ・eVISA対象国一覧)
- 30日を超えて滞在される場合、または免除期間中に4回目以降の入国をされる場合は、別途ビザの取得が必要となります。
- ビザが必要な場合の主な取得方法は、ヘイダル・アリエフ国際空港でのアライバルビザ(一次有効・滞在30日以内、日本国籍の方は手数料免除)、電子ビザ(eVISA)、駐日アゼルバイジャン共和国大使館での申請です。
- アライバルビザは国際空港でのみ取得可能で、陸路国境や港湾では取得できません。また、旅券の残存有効期間が6か月未満の場合、空港での取得ができない可能性があります。
- 15日を超えて滞在される場合は、移民法典の規定に基づき、滞在先での登録手続きが必要となります。
プログラムが策定された背景
アゼルバイジャンでは、2016年に承認された「専門的観光産業の発展に関する戦略ロードマップ」が観光分野の長期的な方向性を定めてきました。
現地報道によりますと、プログラムでは観光に特徴的な分野の非石油・ガスGDPに占める割合を2025年の7.5%から2030年に8.6%へ引き上げ、同分野で創出される付加価値を69億6,300万マナトから121億7,100万マナトへ拡大する目標が掲げられています。ビザ政策の緩和は、こうした訪問者数と観光収入の拡大目標を達成するための手段の一つとして盛り込まれたものです。
大統領令では、内閣に対し6か月以内に「観光について」の法律の改善に関する提案を提出するよう指示されているほか、デジタル発展・運輸省が3か月以内に航空輸送の観光振興への貢献拡大に関する提案を内閣に提出することとされています。今後、これらの検討結果を通じて具体的な制度設計が進められる見通しです。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年8月25日)における公開情報に基づいています。国家プログラムに示された各措置は2026〜2030年に段階的に実施される計画であり、内容・実施時期・対象国は今後変更される場合があります。
- 本記事で紹介した措置は、いずれも現時点で実施が完了しているものではありません。渡航前には必ずアゼルバイジャン外務省、国家移民局、電子ビザポータル(ASAN Visa)および駐日アゼルバイジャン共和国大使館の最新情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
- ビザ免除の対象となる国・地域名、複数回入国eVISAの有効期間・入国回数・手数料、「デジタル旅行者」ビザの申請要件などの詳細は、いずれも未公表です。確定情報が公表されるまで、渡航計画は現行制度を前提に組み立てられることをお勧めいたします。
- 日本国籍の方に対する2026年7月1日から2027年7月1日までのビザ免除措置は期間限定の特例です。同期間の終了後や、免除回数・滞在日数の上限を超える場合には、別途ビザの取得が必要となります。
- 公的機関の公表資料の間でも、eVISA対象国数などの数値に差異が見られる場合があります。ご自身の国籍に適用される要件については、渡航直前に公式サイトでのご確認をお勧めいたします。
- 計画の実施状況によっては、対象国の追加・除外や制度の延期・中止が生じる可能性があります。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、ビザ手続きによる遅延や入国拒否等について、当サイトは一切の責任を負いません。

