2026.08.14
EU|ETIAS(渡航認証制度)の導入延期を検討

欧州連合(EU)が導入を目指してきた新たな渡航認証制度「ETIAS(欧州渡航情報認証システム)」について、当初目標としていた2026年第4四半期中の導入が困難との見方が欧州メディア各社で伝えられています。
EU公式サイト上では、これまで表示されていた「2026年第4四半期」という目標時期の記載が削除されており、正式な開始時期は本記事作成時点で示されていません。あわせて、2026年4月に本格運用が始まった出入国審査システム「EES(出入域管理システム)」についても、一部空港では生体認証登録の一時停止措置が実施されていますが、フランクフルト、アムステルダム、ミュンヘンなどで最大約2時間に及ぶ行列が発生していることが報じられています。
今後欧州(シェンゲン協定加盟国等)へ渡航予定の方は、ETIASの新規手続きは現時点で不要である一方、空港での入国審査には十分な余裕を持ったスケジュールを組んでいただくことをお勧めいたします。
The Financial Times|EU to delay pre-authorised travel system after border chaos
euronews|Europe has officially delayed the roll out of the ETIAS travel permit indefinitely
- ETIASの2026年第4四半期導入は困難との報道があり、EU公式サイトからも目標時期の記載が削除されていますが、正式な延期発表はまだ確認されていません。
- EESに関連する入国審査で、フランクフルト・アムステルダム・ミュンヘンなど主要空港にて最大約2時間の行列が発生していると報じられています。
- EU加盟国8か国とスイスが、9月6日に期限を迎える指紋採取等の一時停止措置の延長をEUに要請しており、欧州委員会が対応を協議中です。

ETIAS(欧州渡航情報認証システム)導入延期についての関連情報等
欧州メディアの報道によると、ETIASを運営するeu-LISA(欧州IT大規模システム運営庁)については、2026年第4四半期としていた導入目標の達成が困難であるとの見方を関係者が示したと報じています。
ETIAS公式ポータルサイトでは、従来表示されていた「2026年第4四半期」という目標時期の記載がすでに削除されており、「開始時期は数か月前に告知する」という案内のみが掲載されている状態です。運営理事会は9月に改めて協議を行う予定とされ、この場で今後の方向性が固まる可能性があります。
一方のEESは、2026年4月10日にシェンゲン圏全域で本格運用が開始された後、夏の繁忙期にかけて混雑が深刻化しています。
旅行分析企業Qsensor社のデータによると、非EU圏からの渡航者を対象とした入国審査の最大待ち時間は、フランクフルト空港で前年同月の約60分から約120分へ、ミュンヘン空港で約31分から約60分へ、アムステルダム(スキポール)空港で約80分から約120分へ、それぞれ倍増したとされています。
| 項目 | ETIAS(渡航認証制度) | EES(出入域管理システム) |
|---|---|---|
| 現状 | 2026年第4四半期の導入は困難との報道あり (EUによる正式な延期発表はなし) |
2026年4月10日より正式運用中 |
| 対象者 | ビザ免除で欧州へ渡航する第三国籍の方 (日本国籍含む) |
日本国籍を含む非EU圏からの短期渡航者 |
| 手続き等 | 現時点で申請受付は不要 | 初回入国時に指紋・顔写真等の生体情報登録が必要 |
| 主な影響 | 現時点で追加の手続きや費用の発生なし | 主要空港の入国審査で最大約2時間の行列が発生 |
| 今後の見通し | eu-LISA運営理事会が9月に改めて協議予定 正式な新スケジュールは未発表 |
指紋採取等の一時停止措置の延長要否を 9月上旬までに判断予定 |
EES(出入域システム)の生体情報登録 一時停止措置の延長要請について
一部の空港では混雑緩和のため、ピーク時に指紋採取など生体情報登録の一部手続きを一時的に停止する措置が取られています。
この措置は2026年9月上旬に期限を迎える予定でしたが、フランス、ベルギー、ドイツ、ギリシャ、イタリア、マルタ、オランダ、ポルトガルのEU加盟8か国と、シェンゲン協定加盟国であるスイスの計9か国が、欧州委員会に対し延長を共同で要請しています。
欧州委員会は「特定の国境検問所で課題を抱えている加盟国と緊密に連絡を取り合っている」とコメントしており、延長の可否について検討を続けている段階です。なお、要請時期や進捗については報道によって若干の差異があり、正式な延長決定は本記事作成時点では確認されていません。
EU|EES(出入域システム)の生体情報登録を今夏に限り一時停止可能に

未公式サイトによる高額請求などの詐欺にご注意ください
ETIASは現時点で申請受付を行っていないにもかかわらず、公式サイトを装って申請代行や手数料を求める未公式サイトが多数存在することが、欧州連合の公式発表でも注意喚起されています。
ETIASに関する唯一の公式サイトは「travel-europe.europa.eu」のみです。
渡航予定の方は、申請案内や料金の支払いを求める未公式サイトのご利用なさらないよう充分ご注意ください。
欧州国境沿岸警備機関(Frontex)|Beware of risks posed by unofficial ETIAS websites
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EESおよびETIAS導入の背景
EESとETIASは、いずれも2015年・16年のパリ・ブリュッセルでのテロ事件を受け、欧州域外からの渡航者に対する国境管理を強化する目的で計画された制度です。EESは非EU圏からの短期渡航者の入出国時に指紋・顔写真等の生体情報を登録・照合する仕組みで、当初2022年の導入予定から度重なる延期を経て、2025年10月に段階的導入を開始し、2026年4月10日に全面運用へ移行しました。
ETIASは米国のESTAに類似した渡航前オンライン認証制度として2023年の導入を目指していましたが、EESの混乱を踏まえ「EESの安定運用を優先すべき」との判断から、開始時期がさらに先送りされる形となっています。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年8月14日)における公開情報に基づいています。ETIASおよびEESの運用状況・手続きの詳細は今後変更される場合があります。
- 渡航前に必ず欧州連合公式サイト(travel-europe.europa.eu)および各国の入国管理当局の最新情報をご確認ください。
- 加盟国によっては、混雑緩和のため一時的にEES手続きを部分停止する措置が取られる場合があります。実際の空港での手続きは、渡航先・時期によって異なる場合があります。
- ETIASの導入延期については、本記事作成時点でEUによる公式な発表はなく、報道機関の取材に基づく情報である点にご留意ください。EES手続きの一時停止措置の延長可否とあわせ、最新の決定内容は欧州委員会および各国政府の公式発表でご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、入国審査の遅延、フライトの乗り遅れ等について、当サイトは一切の責任を負いません。

