2026.07.14
オーストラリア|紙の入国カードを廃止予定 ー デジタル申告「Australia Travel Declaration」を展開

オーストラリア政府は2026年7月13日、紙の「入国カード(Incoming Passenger Card, IPC)」に代わるデジタル申告システム「Australia Travel Declaration(ATD)」を、今後12〜18か月かけて同国内の全ての国際空港・海港へ段階的に展開すると発表しました。
現在はカンタス航空の一部便に限定して試験運用されていますが、今後は同国へ渡航・入国予定の多くの方が対象となる見込みです。
制度が完全施行されるまでは紙の入国カードも引き続き利用できるため、対象外の方は従来どおりの手続きで問題ありません。
オーストラリア貿易・観光大臣およびオーストラリア農業・水産・林業大臣は2026年7月13日付の共同発表で、アルバニージー政権が試験運用の成功を受けてデジタル入国カードの導入を進めており、豪州全土の空港における渡航者向け手続きの近代化に4年間で5,610万豪ドルを投資すると表明しています。
オーストラリア農業・漁業・林業大臣共同メディアリリース|Digital passenger cards to streamline Australia's borders
- オーストラリア政府が2026年7月13日、紙の入国カードに代わるデジタル申告「Australia Travel Declaration(ATD)」の全国展開を発表しました。
- 現在はカンタス航空の一部便でのみ試験運用中ですが、今後4年間で5,610万豪ドルを投じ、12〜18か月かけて全ての国際空港・海港へ順次拡大される予定です。
- 移行期間中は紙の入国カードも引き続き利用できるため、対象外の方はこれまでどおりの手続きで入国いただけます。

Australia Travel Declarationの詳細
Australia Travel Declaration(ATD)はオーストラリア国境警備隊、農業・水産・林業省、カンタス航空が連携して開発を進めているデジタル申告システムです。
2026年7月時点の試験運用段階では、以下の条件を満たす方が対象となっています。
- カンタス航空の特定の便を利用する方
- カンタス航空アプリの利用者であること
- 英語で申告内容を入力できること
- 空港のキオスクおよびスマートゲートの利用対象者であること
現在対象となる方はカンタス航空アプリを通じて、出発の72時間前から個人情報や渡航関連情報を事前に入力できます。
申告完了後にはQRコード付きのデジタルパスが発行され、入国審査後に係官へ提示することで手続きが完了する仕組みです。
なお、上記条件に該当しない場合や参加を希望されない場合は、従来どおり紙の入国カードへの記入・手続きとなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | Australia Travel Declaration(ATD) |
| 目的 | 紙の入国カード(Incoming Passenger Card, IPC)のデジタル代替 |
| 申告受付開始 | 出発の72時間前以降 |
| 現在の試験運用対象 | カンタス航空便でブリスベン・シドニーに到着する対象者 (詳細はカンタス航空アプリにてご確認ください) |
| 今後の展開 | 2027年以降、12〜18か月程度かけて豪州国内の全ての国際空港・海港へ順次拡大予定 |
| 利用方法 | 現状はカンタスアプリから申告 (今後はウェブフォームでも申告可能となるほか、他航空会社との連携も検討されています) |
| 入国時の手続き | QRコード付きデジタルパスを、入国審査後の出口や手荷物受取エリアで係官に提示 |
| 紙のカードとの関係 | 移行期間中は紙の入国カードも引き続き利用可能 |
背景:3度目のデジタル化挑戦と2032年ブリスベン五輪
2015年に発足した自由国民連合政権による「Seamless Traveller」構想では、2018年にデジタル入国カードを試験導入する計画がありましたが実現には至りませんでした。また2022年に導入された「Digital Passenger Declaration」アプリも利用者からの評判が芳しくなく、短期間で運用が終了しています。今回のATDは、2024年10月からのカンタス航空との試験運用を経て、政府が「大きな成功」と判断したことを受けての全国展開となります。
政府はこの取り組みについて、2032年のブリスベン夏季オリンピック・パラリンピックを見据えた観光振興につながるとともに、ニュージーランドやシンガポール、カナダ、韓国など、すでにデジタル入国申告を導入している国々に足並みを揃える狙いがあるとしています。あわせて、バイオセキュリティ上のリスクへの迅速な対応や、入国審査データの精度向上といった安全保障面でのメリットも期待されています。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年7月14日)における公開情報に基づいています。Australia Travel Declaration(ATD)の対象空港・利用条件・手続きの詳細は、今後変更される可能性があります。
- 渡航前には必ずオーストラリア国境警備隊(ABF)公式サイトや豪州政府の最新情報をご確認いただくことをお勧めいたします。
- 試験運用の対象空港・対象航空会社は今後拡大される予定ですが、実際の対象条件は渡航時期によって異なる場合があります。
- フライトの遅延・欠航・変更等があった場合は、デジタル申告(ATD)が利用できず、紙の入国カードでの対応が必要となる場合がございますので、余裕を持ってご準備くださいませ。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、入国手続きに伴う遅延等について、当サイトは一切の責任を負いません。

