2026.06.22
ボリビア|全土における非常事態宣言の発令に関する注意喚起

2026年6月20日(現地時間)、ボリビアのロドリゴ・パス大統領は、政府への抗議活動に伴う道路封鎖が長期化し、市民生活に深刻な影響が出ていることを受け、全土を対象とする最長90日間の非常事態宣言(estado de excepción)を発令しました。
本宣言は道路封鎖を解除する権限を軍に与えるものです。
発令はラパス、エルアルト、サンタクルスをはじめボリビア全土に滞在中または渡航を予定している方に関係する内容です。
なお、本宣言は発令から間もない6月21日未明にボリビア国会(立法府)で3分の2以上の賛成多数により承認されており、2026年6月22日時点で引き続き有効な状態です。渡航を予定されている方は、最新の現地情勢や外務省海外安全情報を確認のうえ、余裕を持った行程を組まれることをお勧めいたします。
- 道路封鎖の解消や治安維持のため、警察・軍による取締り活動が全土で開始されており、地域によっては移動規制や検問の強化が生じる可能性があります。
- 非常事態宣言は全国一律の外出禁止令ではなく、通勤・通学・通院・買い物等の通常の外出や2名以上の集会は引き続き可能とされていますが、コチャバンバ県の一部など封鎖が残る地域では情勢が不安定です。
- 本宣言は2026年6月21日に国会で承認され、現時点で最長90日間(2026年9月中旬頃まで)有効とされています。
非常事態宣言の内容
同令は国内混乱(conmoción interna)を理由として全土に90日間の非常事態を宣言するものであり、軍に対し警察の治安回復活動への協力を認める内容です。
権利そのものの停止を意味するものではないとされていますが、道路封鎖や武器・爆発物・暴力的な行為の使用は禁止されています。また軍による警察への「一時的な支援」が定められ、戦略的な道路やインフラの保護、物資供給の確保にあたるとされています。
一方で、担当大臣は、宣言下でも国民は通常通り就労・通学・礼拝・冠婚葬祭への参加等を継続できると説明しており、規制は封鎖や暴力行為が発生している地点に限定的に適用される方針です。
ラパスへ渡航・滞在される方への注意喚起
ラパス(エルアルト国際空港)をはじめボリビア国内への渡航を予定されている方は、以下の点にご留意ください。
- 出発前に必ず航空会社・現地報道で運航状況をご確認いただくことをお勧めいたします。
- エルアルト国際空港の国際線出発・到着時刻は深夜から早朝の時間帯に集中しているため、空港アクセス道路の混雑や検問を想定し、余裕を持って空港にお越しくださいませ。
- 幹線道路の封鎖が残る地域(コチャバンバ県チャパレ郡・カラスコ郡周辺等)では陸路移動に支障が出る可能性があるため、可能な限り代替手段(航空便等)の検討をお勧めいたします。
- 「たびレジ」への登録や、外務省海外安全ホームページの随時確認をお願いいたします。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 根拠 | 最高令(Decreto Supremo)5636号、国内混乱を理由とする非常事態宣言 |
| 適用期間 | 公布日(2026年6月20日)から90日間(2026年6月21日に国会承認済み) |
| 適用範囲 | ボリビア全土(実際の規制は封鎖・治安悪化地域に重点的に適用) |
| 禁止される行為(例) | 道路封鎖、許可のない大規模集会、武器・爆発物等の携帯、生活必需品の流通妨害、インフラへの攻撃 |
| 原則として可能な行動 | 通勤、通学、通院、買い物、礁拝・冠婚葬祭への参加、2名以上の集会、時間に制限のない通常の外出 |
抗議活動が長期化した背景
今回の混乱は、2025年11月に就任したパス大統領が、財政赤字縮小のため長年続いていた燃料補助金を2025年12月に廃止したことに端を発しています。
ボリビア経済は外貨不足や天然ガス輸出の急減により40年ぶりの高インフレに直面しており、燃料価格の上昇が国民生活を直撃しました。抗議活動は2026年1月に散発的に始まり、5月初旬に農地抵当を認める法律への反発を機に本格化し、鉱山労働者や教員、先住民系団体も加わって拡大しました。
主要労働組合であるボリビア中央労働組合(COB)とラパス農民連盟は5月6日から道路封鎖を主導し、パス大統領の辞任を要求していました。COBは6月19日、政府との合意により封鎖解除の方針を示しましたが、農民系団体やモラレス前大統領支持派はこの合意を拒否し、辞任要求を維持して封鎖継続を表明しています。
国際社会の反応として、米国務省は混乱発生後にルビオ国務長官がパス大統領と会談し、民主主義への支援姿勢を表明するとともに、食料・医療物資不足への緊急支援強化を発表しています。一方トランプ米大統領は混乱を「クーデター」と呼び、抗議活動には麻薬密輸組織の資金提供があると主張しました。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年6月22日)における公開情報に基づいています。ボリビアの非常事態宣言の運用状況や規制内容は今後変更される場合があります。
- 渡航前に必ず外務省海外安全ホームページおよびボリビア政府の最新情報をご確認ください。
- 非常事態宣言に基づく具体的な規制(移動制限・検問等)は、地域や情勢の変化に応じて段階的に適用される場合があり、実際の運用は渡航先・時期によって異なる場合があります。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、移動制限や治安悪化による遅延等について、当サイトは一切の責任を負いません。

