2020.04.09
エチオピア 非常事態宣言の発表
【ポイント】
・４月８日，アビィ首相は，新型コロナウイルスに対応するため，非常事態宣言を発表しました。
・その期間は４月８日から５ヶ月間で，違反した場合は，３年以下の懲役または２０万ブル以下の罰金が科されます。
・具体的な内容は，関係機関から発表するとしています。
・４月９日，エチオピア保健省は，新たに１名の新型コロナウイルス感染が判明し，累計感染者は合計５６名になったと発表しました。
[本文]
１ ４月８日，アビィ首相は，新型コロナウイルスに対応するため，非常事態宣言を発表しました（正式には明１０日議会の承認を得て成立）。現時点で具体的な強制措置や規制などは発表されていませんが，今後関係機関から発表するとされているため，最新情報の入手に努めてください。
２ 非常事態宣言について，連邦司法長官から発表された内容は以下のとおりです。
（１）発出の意義
●エチオピア憲法９３条は，非常事態宣言発出時に人々が従うべき原則を規定。
●同条は，自然災害又は疫病の流行が非常事態宣言発出の要件の一つと規定。
●COVID-19が公衆の健康を危険に晒す病気であることは明白。
●防疫のために必要な対策を実施する上でより優れた能力と裁量を政府に付与することを期待して発出。
●更に，非常事態宣言は，その実効性確保の過程で生じる課題に対処するための必要な手順を実行する権限を閣僚に提供することを目的としている。
●COVID-19の流行防止と制御を目的とし，パンデミックの被害を軽減することを目的として公布された。
（２）非常事態宣言の内容
●非常事態宣言は，憲法規定に基づいて布告され，閣僚理事会は，非常事態宣言の規定する規制の範囲内において，国家の平和と主権を保護し，公安維持のために必要な全権を掌握する。
●憲法第９３条４項Ｃの効力は停止されない。（小官注：憲法第９３条４項Ｃは，非常事態宣言が出されても，第１条（国家の基本統治形態：連邦制），１８条（非人道的処遇の禁止），２５条（平等），３９条１項（自己防衛）及び２項（言論の自由）の効力は妨げられないと規定。）
●法執行機関及びその他の司法機関等から出される法令及び命令を遵守する義務を負う。
●連邦及び地方の法執行機関が権利制限のため必要な有形力を行使する権限を有する。（第５項目）
●非常事態宣言の制約の下での権利，規制，指示等に違反した場合，最長３年の有期懲役又は最大２００，０００ブル（約７５万円）の罰金に処する。（第６項目）
●権利停止及び措置の詳細は，マス・メディアを通じ，首相府と連邦司法長官から公布される。（第７項目）
●連邦，地域，及び，民間メディアは，非常事態宣言発出期間中に政府から提供される発表及び説明を多言語で公表する責任を有する。
●非常事態宣言は本日付で以後５か月に亘り有効。
３ なお、４月９日，エチオピア保健省は，新たに１名の新型コロナウイルス感染者が判明し，エチオピア国内において新型コロナウイルスの感染が確認された者の累計は５６名になったと発表しました。新たに判明した感染者はエチオピア生まれのカナダ人男性（４３歳）で，カナダ及びドバイへの渡航歴があります。
以上
【在エチオピア日本国大使館】
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