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2026.03.18

【旅行会社が解説!】2026年6月〜7月発券分の燃油サーチャージは上がる?

2026年6月〜7月に発券される航空券に適用される燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)は、現行の4月〜5月発券分から大幅に引き上げられる可能性が高まっています。

2月28日に開始された米国・イスラエルによるイラン攻撃の影響で、シンガポールケロシン(ジェット燃料)の市況価格が急騰しており、加えて円安の進行も重なり、燃油サーチャージ算定基準額が大きく上昇する見通しです。

以下では、JAL・ANA等の燃油サーチャージの算定ルールを基にして、現在のケロシン市況および為替動向を踏まえ、6月〜7月発券分の見通しと、航空運賃への波及について整理します。

ここがポイント
  • 6月〜7月発券分の燃油サーチャージは、現行から大幅引き上げが見込まれます
  • 現行と同レベルの燃油サーチャージ額が適用されるのは5月31日発券分まで:ただし、航空運賃本体の値上げは逐次進行中のため、サーチャージだけでなく「運賃+燃油+諸税」のトータルコストでの判断が重要
  • 海外発旅程では、すでに燃油額が倍増している航空会社も:キャセイパシフィック航空は3月18日発券分から香港発等の日本以外から出発する路線の燃油サーチャージを約2倍に改定
  • 8月〜9月発券分以降はさらに上昇する可能性:情勢が長期化した場合、欧米路線はサーチャージだけで往復10万円を超える水準も想定

現行の燃油サーチャージ水準(2026年4月〜5月発券分まで)

JAL・ANAの燃油サーチャージは、シンガポール市場で取引されるケロシン価格と為替レートの直近2カ月間の平均値をもとに算出されます。現在確定している4月〜5月発券分は、2025年12月~2026年1月の市況価格平均をもとに決定されたものです。

両航空会社ともに同一のケロシン基準を使用していますが、適用条件表の金額設定が異なるため、JALとANAの金額はそれぞれ異なります。たとえば、ANAの北米・欧州区間は片道31,900円、ハワイは20,400円と、JALの同区間よりも高く設定されています。

日本航空(JAL)|国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内

全日本空輸(ANA)|燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について

6月〜7月発券分の算定対象と正式発表時期

6月〜7月発券分の燃油サーチャージは、2026年2月~3月のシンガポールケロシン市況価格平均および同期間の為替レート平均をもとに算出されます。正式発表は2026年4月中旬〜下旬ごろの見通しです。

※ 原則として日本航空(JAL)及び 全日本空輸(ANA)の燃油サーチャージは2ヶ月間固定です。
※ 設定された2か月間は航空燃料価格の動向による燃油サーチャージの変更はありませんが、関係国政府の認可状況に応じた変更についてはこの限りではありません

ケロシン市況の急変動 ― イラン情勢の影響

6月・7月発券分の見通しを大きく変えたのが、2月28日に開始された米国・イスラエルによるイラン攻撃です。
開戦前後でジェット燃料の市況は一変しました。

また、円相場は3月中旬時点で1ドル=159円台に到達し、2024年7月以来の円安水準です。
イラン情勢による原油高が日本の輸入コストを押し上げ、円売り圧力が強まっている状況です。日銀は3月の金融政策決定会合で現状維持の見通しとなっており、当面は円安基調が続く可能性があります。

中東情勢緊迫化前後のジェット燃料価格推移

攻撃開始前のケロシン市況は85~90ドル/バレル程度でしたが、中東紛争の拡大でジェット燃料価格は急騰し、一時150~200ドルに達しています。ホルムズ海峡を通じた石油輸送の実質的停滞、クウェートの減産措置、カタールのLNG施設への攻撃による供給途絶などが重なり、アジアではジェット燃料価格が約200%上昇したとの分析もあります。

時期 ケロシン水準(参考値) 備考
~2月27日(攻撃前) 約85~95ドル/バレル  
2月28日~(攻撃開始後) 約130~200ドル/バレル ホルムズ海峡の実質封鎖、産油施設への攻撃等
3月中旬時点 約150~160ドル/バレル IEA緊急備蓄放出表明あるも高止まり

6月〜7月発券分の予測

6月〜7月発券分の算定対象となる「2月~3月の平均値」を試算する際、ポイントとなるのは2月前半は「攻撃前の水準」が含まれることです。このため、2カ月平均には一定の緩衝効果があります。

仮に下記A~Cまでのシナリオを想定した場合、4月・5月発券分の円貨換算額:13,000円基準から4~5段階の引き上げに相当し、主要路線の片道燃油サーチャージは以下の水準になると予測されます。

・シナリオA → 欧州・北米路線で現行水準から ¥12,000〜¥13,000程度増額
・シナリオB → 欧州・北米路線で現行水準から ¥18,000程度増額
・シナリオC → 欧州・北米路線で現行水準から ¥21,000〜¥23,000程度増額  

シナリオ ケロシン2-3月平均
(推定)
為替平均
(推定)
円貨換算額
(推定)
JAL該当Zone
(参考)
A:収束方向 約110ドル 約156円 約17,200円 Zone L前後
B:高止まり継続 約118~123ドル 約157~159円 約18,500~19,500円 Zone M~N
C:さらなるエスカレーション 130ドル超 160円前後 20,000円超 Zone O以上

【注意】海外発旅程ではすでに燃油額が倍増している航空会社も

上記の予測は日系2社の日本発旅程についてのものです。
日本発旅程の燃油サーチャージは、2カ月間の平均値に基づく算定ルールが定められているため、市況が急騰しても即座には価格に反映されません。そのため、4月〜5月発券分の燃油サーチャージは、現状の水準とほぼ同レベルとなっています。

一方、海外発(日本発ではない)旅程の航空券は、すでに燃油サーチャージの大幅な改定が行われているケースが散見されます。

キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)|Fuel Surcharge Increase Statement(2026年3月12日)

海外発旅程の改定事例(2026年3月時点)
航空会社 措置内容 適用時期
キャセイパシフィック航空 香港発路線等の燃油サーチャージを約2倍に改定
(例:香港=欧米 長距離便 HK$569→HK$1,164)
2026年3月18日発券分から
香港エクスプレス 燃油サーチャージを改定
(例:香港=日本 HK$140→HK$290)
2026年3月18日発券分から
香港航空 香港発路線等の燃油サーチャージを短期間で改定
(例:香港=日本 HK$162→HK$212→HK$290)
2026年3月12日改定後
3月18発券分から再改定
エアインディア 欧州・北米・豪州路線で最大50ドルの燃油サーチャージ増額 2026年3月18日以降段階的
エアアジア 運賃・燃油サーチャージを段階的に調整 市況連動

海外発旅程の場合、燃油市況の急変に対してより機動的にサーチャージや運賃を改定できる仕組みをもっています。
そのため、海外で購入する航空券や、海外発旅程の燃油サーチャージは、日本発旅程の数値とは異なり、すでに大幅に引き上げられているケースがあります。海外発の出張手配や、往路と復路で発券が分かれる場合は、最新の金額を都度確認することが重要となります。

【注意】航空運賃本体への転嫁も進行中

さらに注意が必要なのは、航空券の運賃そのものの改定です。

日本発の燃油サーチャージは、前述のとおり概ね各航空会社は2カ月間の平均値をもとに2カ月間固定で適用されるルールとなっています(一部例外あり)。このため、今回のように燃油市況が急騰した場合でも、航空会社は6月の発券分まで現行の燃油サーチャージ額を維持しなければならず、急激なコスト増加に対してサーチャージの枠内では機動的に対応することができません。

実際にどの程度のコスト増が発生しているかというと、米デルタ航空のCEOは、ジェット燃料の急騰により3月単月だけで最大4億米ドル(約640億円)のコスト増になると発言しています。アメリカン航空も、燃料コスト増により第1四半期の費用が4億米ドル増加する見通しを示しました。こうした膨大なコスト増を吸収しきれない航空会社が、運賃値上げや路線縮小で対応せざるを得ない状況です。

そこで一部の航空会社では、サーチャージではなく航空券の運賃額(ベースフェア)を引き上げることで、燃油コストの急騰分を埋め合わせようとする動きが出てきています。燃油サーチャージの金額が据え置きだったとしても、航空券全体の購入価格は上昇している可能性があるため、見積もりの際は「運賃+燃油サーチャージ+諸税」のトータルコストでの確認が不可欠です。

Reuters|Airlines raise fares as Middle East conflict lifts fuel costs, disrupts flights

CNBC|Flights are already getting more expensive after a jet fuel spike. When should you book?

 

航空運賃本体の改定事例(2026年3月時点)
航空会社 措置内容 適用時期
タイ国際航空 航空運賃全体を10〜15%値上げ 2026年3月以降
エアカナダ 燃油コスト上昇を反映する形で調整を検討 2026年3月以降
エールフランス-KLM 長距離便エコノミー往復で約50ユーロの値上げ 2026年3月11日以降
カンタス航空 国際線運賃を平均で5%値上げ 2026年3月中旬以降

今後の航空券ご購入における注意点

燃油サーチャージの大幅な引き上げが見込まれる状況を踏まえ、航空券のご購入にあたっては以下の点にご留意ください。

燃油市況を取り巻く情勢が不安定な状況下では、航空券の手配タイミングや航空会社の選定が総費用に大きく影響します。複数の航空会社・経路での比較見積もりや、燃油サーチャージの少ない航空会社の選定など、コスト最適化のご提案も含めてご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

発券(購入)のタイミングについて

日本発旅程の場合、6月1日以降の発券分からは改定後の新たな金額が適用され、現時点ではそれ以前の金額よりも増額が見込まれているため、渡航スケジュールが確定している場合は、5月中の発券が燃油コスト面では有利になります。

ただし、前述のとおり航空会社によっては運賃本体を引き上げる動きも出ているため、「燃油サーチャージが安いうちに」という判断だけではなく、運賃・燃油・諸税を合わせたトータルコストで比較検討することをお勧めします。

お見積もりの際のご注意
  • お見積もり時と発券時で燃油サーチャージの適用期間が異なる場合、金額が変わる可能性があります。
  • 海外発旅程(往路と復路で発券国が異なる場合も含む)は、日本発とは異なる燃油額が適用されるケースがあります。
  • 今後の情勢次第では、航空会社が急遽運賃改定を行う可能性もあります。逐次最新の金額を再確認されることをお勧めします。


免責事項および注意喚起
本記事に記載の予測金額は、2026年3月18日時点のデータをもとにした試算であり、確定した金額ではありません。
6月〜7月発券分の燃油サーチャージの正式な金額は、2026年4月中旬〜下旬ごろに発表される予定です。必ず各航空会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。

  • 中東情勢や原油市況、為替相場の変動により、予測と大きく異なる結果となる可能性があります。
  • 海外発旅程の燃油サーチャージは、本記事の日本発旅程の予測とは異なります。
  • 燃油サーチャージの改定とは別に、航空運賃そのものが改定される場合があります。運賃・燃油・諸税のトータルコストでご確認ください。
  • 関係国政府の認可状況により、適用額・改定時期・適用期間が変更となる場合があります。
  • 本記事の情報に基づく判断により生じた損害について、当社は一切の責任を負いかねます。

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