2026.04.01
【旅行会社が解説!】2026年6月〜7月発券分の燃油サーチャージはどれくらい上がる?
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2026年6月〜7月に発券される航空券に適用される燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)は、現行の4月〜5月発券分から大幅に引き上げられる見通しです。
2月28日に開始された米国・イスラエルによるイラン攻撃の影響で、シンガポールケロシン(ジェット燃料)の市況価格が急騰しており、加えて円安の進行も重なり、燃油サーチャージ算定基準額が大きく上昇する見通しです。
以下では、JAL・ANA等の燃油サーチャージの算定ルールを基にして、現在のケロシン市況および為替動向を踏まえ、6月〜7月発券分の見通しと、航空運賃への波及について整理します。
- 6月〜7月発券分の燃油サーチャージは、現行から大幅引き上げが見込まれます
- 日本航空(JAL)とANAは、現行の燃油サーチャージの上限額を引き上げると発表:さらに値上げを前倒して5月から適用する可能性も
- 現行の燃油サーチャージ額が適用されるのは5月31日発券分まで:ただし、航空運賃本体の値上げは逐次進行中のため、サーチャージだけでなく「運賃+燃油+諸税」のトータルコストでの判断が重要
- 海外発旅程では、すでに燃油額が倍増している航空会社も:キャセイパシフィック航空は3月18日発券分から香港発等の日本以外から出発する路線の燃油サーチャージを約2倍に改定
- 8月〜9月発券分以降はさらに上昇する可能性:情勢が長期化した場合、算定期間の2か月間が全て高騰後の市況価格で計算されるため、上昇額が高止まりする可能性があります
現行の燃油サーチャージ水準(2026年4月〜5月発券分まで)
JAL・ANAの燃油サーチャージは、シンガポール市場で取引されるケロシン価格と為替レートの直近2カ月間の平均値をもとに算出されます。現在確定している4月〜5月発券分は、2025年12月~2026年1月の市況価格平均をもとに決定されたものです。
両航空会社ともに同一のケロシン基準を使用していますが、適用条件表の金額設定が異なるため、JALとANAの金額はそれぞれ異なります。たとえば、ANAの北米・欧州区間は片道31,900円、ハワイは20,400円と、JALの同区間よりも高く設定されています。
日本航空(JAL)|国際線「燃油特別付加運賃」「航空保険特別料金」のご案内
全日本空輸(ANA)|燃油特別付加運賃 / 航空保険特別料金について


6月〜7月発券分の算定対象と正式発表時期
6月〜7月発券分の燃油サーチャージは、2026年2月~3月のシンガポールケロシン市況価格平均および同期間の為替レート平均をもとに算出されます。正式発表は2026年4月中旬〜下旬ごろの見通しです。
※ 原則として日本航空(JAL)及び 全日本空輸(ANA)の燃油サーチャージは2ヶ月間固定です。
※ 設定された2か月間は航空燃料価格の動向による燃油サーチャージの変更はありませんが、関係国政府の認可状況に応じた変更についてはこの限りではありません

ケロシン市況の急変動 ― イラン情勢の影響

6月・7月発券分の見通しを大きく変えたのが、2月28日に開始された米国・イスラエルによるイラン攻撃です。
開戦前後でジェット燃料の市況は一変しました。
また、円相場は3月中旬時点で1ドル=159円台に到達し、2024年7月以来の円安水準です。
イラン情勢による原油高が日本の輸入コストを押し上げ、円売り圧力が強まっている状況です。日銀は3月の金融政策決定会合で現状維持の見通しとなっており、当面は円安基調が続く可能性があります。
ジェット燃料価格推移(IATA週次平均・参考値)
| 週 | IATA週次平均(参考値) | 備考 |
|---|---|---|
| 2月23日週 | 約95ドル/バレル | 攻撃前の水準 |
| 3月2日週 | 約150ドル/バレル | +58%(紛争開始直後) |
| 3月9日週 | 約167ドル/バレル | +11%(ホルムズ海峡封鎖継続) |
| 3月16日週 | 約188ドル/バレル | +13%(産油施設への攻撃拡大) |
| 3月23日週 | 約197ドル/バレル | 一時下落も即回復(トランプ大統領交渉発言) |
| 3月28日週 | 約195ドル/バレル |
6月〜7月発券分の予測(2月〜3月実績ベース)
6月〜7月発券分算定対象となる2月~3月が終了したため、2か月間のケロシン市況と為替平均値を推計し、円貨換算額を試算すると、
・ケロシン平均(推定):約125〜133ドル
・為替平均(推定):157円〜158円前後
となり、4月〜5月発券分の基準(円貨換算額:13,000円基準)から 6〜7段階の引き上げに相当するため、各路線の1区間(片道)あたりの燃油サーチャージは現在よりも1.5〜2倍近い価格になると推定されます。
| シナリオ | ケロシン2-3月平均 | 為替平均 (推定) |
円貨換算額 (推定) |
JAL該当Zone (参考) |
|---|---|---|---|---|
| パターンA | 約125ドル | 157円 | 約19,600円 | Zone N前後 |
| パターンB | 約130ドル | 157円 | 約20,400円 | Zone O前後 |
| パターンC | 約133ドル | 158円 | 約21,000円 | 現行表の上限突破 |

【注意】海外発旅程ではすでに燃油額が倍増している航空会社も
上記の予測は日系2社の日本発旅程についてのものです。
日本発旅程の燃油サーチャージは、2カ月間の平均値に基づく算定ルールが定められているため、市況が急騰しても即座には価格に反映されません。そのため、4月〜5月発券分の燃油サーチャージは、現状の水準とほぼ同レベルとなっています。
一方、海外発(日本発ではない)旅程の航空券は、すでに燃油サーチャージの大幅な改定が行われているケースが散見されます。
キャセイパシフィック航空(Cathay Pacific)|Fuel Surcharge Increase Statement(2026年3月12日)
| 航空会社 | 措置内容 | 適用時期 |
|---|---|---|
| キャセイパシフィック航空 | 香港発路線等の燃油サーチャージを約2倍に改定 (例:香港=欧米 長距離便 HK$569→HK$1,164) |
2026年3月18日発券分から |
| 香港エクスプレス | 燃油サーチャージを改定 (例:香港=日本 HK$140→HK$290) |
2026年3月18日発券分から |
| 香港航空 | 香港発路線等の燃油サーチャージを短期間で改定 (例:香港=日本 HK$162→HK$212→HK$290) |
2026年3月12日改定後 3月18発券分から再改定 |
| エアインディア | 欧州・北米・豪州路線で最大50ドルの燃油サーチャージ増額 | 2026年3月18日以降段階的 |
| エアアジア | 運賃・燃油サーチャージを段階的に調整 | 市況連動 |
海外発旅程の場合、燃油市況の急変に対してより機動的にサーチャージや運賃を改定できる仕組みをもっています。
そのため、海外で購入する航空券や、海外発旅程の燃油サーチャージは、日本発旅程の数値とは異なり、すでに大幅に引き上げられているケースがあります。海外発の出張手配や、往路と復路で発券が分かれる場合は、最新の金額を都度確認することが重要となります。
【注意】航空運賃本体への転嫁も進行中
さらに注意が必要なのは、航空券の運賃そのものの改定です。
日本発の燃油サーチャージは、前述のとおり概ね各航空会社は2カ月間の平均値をもとに2カ月間固定で適用されるルールとなっています(一部例外あり)。このため、今回のように燃油市況が急騰した場合でも、航空会社は6月の発券分まで現行の燃油サーチャージ額を維持しなければならず、急激なコスト増加に対してサーチャージの枠内では機動的に対応することができません。
実際にどの程度のコスト増が発生しているかというと、米デルタ航空のCEOは、ジェット燃料の急騰により3月単月だけで最大4億米ドル(約640億円)のコスト増になると発言しています。アメリカン航空も、燃料コスト増により第1四半期の費用が4億米ドル増加する見通しを示しました。こうした膨大なコスト増を吸収しきれない航空会社が、運賃値上げや路線縮小で対応せざるを得ない状況です。
そこで一部の航空会社では、サーチャージではなく航空券の運賃額(ベースフェア)を引き上げることで、燃油コストの急騰分を埋め合わせようとする動きが出てきています。燃油サーチャージの金額が据え置きだったとしても、航空券全体の購入価格は上昇している可能性があるため、見積もりの際は「運賃+燃油サーチャージ+諸税」のトータルコストでの確認が不可欠です。
Reuters|Airlines raise fares as Middle East conflict lifts fuel costs, disrupts flights
CNBC|Flights are already getting more expensive after a jet fuel spike. When should you book?
| 航空会社 | 措置内容 | 適用時期 |
|---|---|---|
| タイ国際航空 | 航空運賃全体を10〜15%値上げ | 2026年3月以降 |
| エアカナダ | 燃油コスト上昇を反映する形で調整を検討 | 2026年3月以降 |
| エールフランス-KLM | 長距離便エコノミー往復で約50ユーロの値上げ | 2026年3月11日以降 |
| カンタス航空 | 国際線運賃を平均で5%値上げ | 2026年3月中旬以降 |
今後の航空券ご購入における注意点

燃油サーチャージの大幅な引き上げが見込まれる状況を踏まえ、航空券のご購入にあたっては以下の点にご留意ください。
燃油市況を取り巻く情勢が不安定な状況下では、航空券の手配タイミングや航空会社の選定が総費用に大きく影響します。複数の航空会社・経路での比較見積もりや、燃油サーチャージの少ない航空会社の選定など、コスト最適化のご提案も含めてご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。
発券(購入)のタイミングについて
日本発旅程の場合、6月1日以降の発券分からは改定後の新たな金額が適用され、現時点ではそれ以前の金額よりも増額が見込まれているため、渡航スケジュールが確定している場合は、5月中の発券が燃油コスト面では有利になります。
ただし、前述のとおり航空会社によっては運賃本体を引き上げる動きも出ているため、「燃油サーチャージが安いうちに」という判断だけではなく、運賃・燃油・諸税を合わせたトータルコストで比較検討することをお勧めします。
その他航空券ご購入に際して
- お見積もり時と発券時で燃油サーチャージの適用期間が異なる場合、金額が変わる可能性があります。
- 海外発旅程(往路と復路で発券国が異なる場合も含む)は、日本発とは異なる燃油額が適用されるケースがあります。
- 今後の情勢次第では、航空会社が急遽運賃改定を行う可能性もあります。逐次最新の金額を再確認されることをお勧めします。
免責事項および注意喚起
本記事に記載の予測金額は、2026年3月18日時点のデータをもとにした試算であり、確定した金額ではありません。
6月〜7月発券分の燃油サーチャージの正式な金額は、2026年4月中旬〜下旬ごろに発表される予定です。必ず各航空会社の公式サイトで最新情報をご確認ください。
- 中東情勢や原油市況、為替相場の変動により、予測と大きく異なる結果となる可能性があります。
- 海外発旅程の燃油サーチャージは、本記事の日本発旅程の予測とは異なります。
- 燃油サーチャージの改定とは別に、航空運賃そのものが改定される場合があります。運賃・燃油・諸税のトータルコストでご確認ください。
- 関係国政府の認可状況により、適用額・改定時期・適用期間が変更となる場合があります。
- 本記事の情報に基づく判断により生じた損害について、当社は一切の責任を負いかねます。


