2016.06.21
トルコ 同性愛者パレードを巡る動き
在イスタンブール総領事館より
1 パレード開催を巡る動き
(1)報道等によりますと、2016年6月26日(日)午後、例年どおりイスティクラール通りにおいて、同性愛者擁護団体LGBTI主催による大規模パレード「第14回Pride Week」が計画されていましたが、 先週末(6月17日(金))、イスタンブール県知事は、同パレードの実施について、「安全上の懸念がある」として、許可しないことを明らかにしました。(昨年は、同パレードの参加者がエルドアン大統領への批判を開始したために、現場の機動隊がゴム弾や催涙ガスを撃ち、群衆を拘束する等の混乱が発生しました。)
(2)6月19日(日)、イスティクラル通り近くのLGBTIの建物前に、県知事の決定を不服とする約100名の関係者が集合し、プレス発表の準備をしていたところ、治安当局によって阻止されました。
LGBTI関係者らがデモ行進を強行すべきことを主張したため、この動きを治安当局が催涙弾やゴム弾によって鎮圧し、多くの関係者が拘束される事件が発生しました。
(3)これを受けて、LGBTIは、20日(月)、ホームページ(http://en.prideistanbul.org/)上において、治安当局による鎮圧は我々を怯ませることなく、逆により大きな声を上げていく旨表明するとともに、改めて6月26日(日)にプレス発表を行いたいとの意向を発表しました。
(4)本件パレードの実施については、愛国団体らが、同パレードが神聖なるラマダン中に開催されることに言及しつつ、「Pride(誇り)」とは名前だけで実際には不道徳なこのパレードに団体として強く反対し、開催を妨げる」と発表するなど、反発する団体による抗議活動も懸念されていました。
(5)なお、6月13日には、米国の同性愛者が利用するクラブにおいてISILに影響を受けた者による無差別テロが発生、ISILが同攻撃を賞賛する声明を発出していることから、同性愛者の集会等においてISIL賛同者による類似のテロが発生することも懸念されています。
2 注意事項
上記のとおり、6月26日(日)に、イスティクラル通り周辺において、改めてLGBTI関係者によるプレス発表、デモ等が企図される可能性があることから、邦人の皆様におかれましては、当日はタクシム広場、イスティクラル通り近辺へはできるだけ近づかないようお願いいたします。
また、その他の場所でも、デモやパレード等を見かけたら近づくことなく、直ちにその場から離れるようお願いいたします。
なお、「Pride Week]は20日から26日までとされていますので、26日以外にも不測の事態が発生する可能性がありますので、十分ご注意願います。