海外

2026.08.31

【APECビジネストラベルカード】5つの国・地域が滞在上限を60日→90日に延長へ

中国、香港、インドネシア、フィリピン、シンガポールの5つの国・地域が、APECビジネストラベルカード(ABTC/APEC Business Travel Card)保持者に認める1回あたりの最長滞在期間を、現行の60日から90日へ延長する方針であると共同で発表しました。

この発表は2026年8月23日~24日に中国・大連で開催されたAPEC商用渡航グループ(Business Mobility Group)会合の場で行われましたが、5つの国・地域に共通する施行日は設定されておらず、開始時期は各国・地域がそれぞれ個別公表する予定とされています。

現時点では制度変更は「発表済み・未施行」の段階にありますので、渡航計画を立てられる際は、各国・地域の正式な施行日発表をご確認ください。

中華人民共和国外交部領事司(Department of Consular Affairs)|The Second Meeting of the APEC Business Mobility Group in 2026 was successfully held in Dalian

ここがポイント!
  • 中国・香港・インドネシア・フィリピン・シンガポールの5つの国・地域が、ABTC保持者の1回あたり最長滞在期間を60日から90日へ延長すると発表しました
  • 対象となるのは、日本を含むABTC制度参加国・地域が発行したカードをお持ちで、短期商用目的でこれら5つの国・地域へ渡航される方ですが、統一された施行日は決まっておらず、各国・地域が個別に施行時期を公表する予定です
  • ABTCは短期商用目的専用の制度であり、滞在期間が延びても観光・就労・長期居住には利用できない点に変更はありません

発表内容と現時点で確定していない点に関する注意事項

ABTCは、APECに参加する21の国・地域のうち、19の国・地域が完全参加する事前審査型の渡航制度です。
カード裏面に承認済みの国・地域のコードが印字されており、有効なパスポートとABTCを提示することで、ビザを都度取得することなく短期商用目的での入国審査を受けられます。

あわせて、主要国際空港に設置されたABTC専用レーンを利用できます。
今回の措置は、この制度のうち「1回あたりの最長滞在可能日数」を引き上げるものです。

今回対象となる5つの国・地域は、いずれもこれまで最長60日を上限としてきたグループにあたります。
90日への引き上げが実施されれば、オーストラリア、日本、韓国、タイ、ベトナムなど、すでに90日を認めている国・地域と同水準に揃うことになります。

現時点では制度変更は「未施行(施行日未定)」の段階です
なお、実際に付与される滞在日数は、最終的に渡航先の出入国管理当局の審査官の判断によって決まるため、必ずしも上限日数が認められるとは限りません

国・地域 現行の
最長滞在期間
発表後の
最長滞在期間
現在の状況
中国、香港、インドネシア、フィリピン、シンガポール 60日 90日 発表済み
施行日未定
オーストラリア、ブルネイ、チリ、日本、韓国、マレーシア、
ニュージーランド、ペルー、ロシア、タイ、ベトナム
90日 変更なし 従来どおり
渡航にあたってのご留意点

なお5つの国・地域においては、統一された施行日は決定しておらず、それぞれが独自のスケジュールで開始時期を発表するとされています。また、既存カード保持者の取り扱いについて、新たな滞在期間が既に発行済みのカードにも自動的に適用されるのか、カードの再発行や再審査を要するのかについて、現時点で各当局からの公式な運用細則は確認できておりませんのでご注意ください。

ABTC制度をめぐるこれまでの経緯

APECビジネストラベルカード(ABTC)は、1996年のAPEC首脳会議でフィリピン、韓国、オーストラリアが提唱し、1997年に運用が始まった制度です。同年に設置されたAPEC商用渡航グループ(BMG)が運営を担い、1999年にAPEC貿易投資委員会が制度の恒久化を決定しました。APEC事務局によりますと、現在の利用者は58万人を超えています。

制度は段階的に拡充され、2015年9月1日にはカードの有効期間が3年から5年へ延長され、2021年3月1日にはスマートフォンで提示できるバーチャルABTCの運用が始まっています。今回の滞在期間延長は、この流れに続く利便性向上策と位置づけられます。

なお、APEC事務局のBMG公式ページでは、本記事作成時点において「直近のBMG会合は2026年2月2日~3日に広州で開催」との記載にとどまっており、大連会合の結果は反映されておりません。制度改正の正式な確認は、各国・地域の出入国管理当局からの発表をお待ちいただく必要がございます。

APEC事務局 - APEC Business Travel Card(ABTC and Virtual ABTC)

APECビジネストラベルカードの概要


免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年8月31日)における公開情報に基づいています。ABTCの最長滞在期間延長は発表段階であり、各国・地域の施行日および運用細則は今後変更・追加される場合があります。

  • 渡航前に必ず、日本国外務省のABTC案内ページおよび渡航先の国・地域の出入国管理当局の最新情報をご確認ください。
  • 本件は5つの国・地域に共通する実施日が設定されておらず、施行時期は各国・地域が個別に公表する予定です。施行前の渡航については、従来どおり最長60日を前提としてご計画いただくことをお勧めいたします。
  • 発行済みカードへの適用可否、カード再発行の要否など、既存の保持者に関する運用細則は現時点で公表されておりません。詳細は各国・地域のABTC担当窓口へご確認ください。
  • 実際に許可される滞在日数は、渡航先の出入国管理当局の審査官の判断によって決まります。上限日数が必ず認められるとは限りませんので、余裕を持ったご日程をご検討くださいませ。
  • ABTCは短期商用目的専用の制度です。観光・就労・報酬を伴う活動には使用できず、目的外使用が判明した場合はカードの失効手続や渡航先国内法令による処罰の対象となる可能性があります。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、入国審査における滞在期間の判断や入国拒否等について、当サイトは一切の責任を負いません。

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