2026.08.28
ネパール・中国|ラスワ郡等の国境地帯での大規模洪水に関する注意喚起(8/28更新)

2026年8月26日午前、ネパール北部ラスワ郡でボテコシ川(Bhote Koshi)が氾濫し、中国チベット自治区との国境地帯から下流のヌワコット郡、ダディン郡、ゴルカ郡、チトワン郡にかけて甚大な被害が発生しています。
カトマンズから北部・西部へ向かう主要幹線道路は通行規制が続き、ベトラワティ〜ラスワガディ間の道路約42kmは全区間が損壊しているとされておりますので、ネパールへ渡航予定の方および現地に滞在中の方は、ラスワ郡(ランタン地域、ゴサインクンダ、シャブルベシ、ティムレ、ラスワガディ)への立ち入りを見合わせ、陸路移動を伴う行程の見直しをご検討いただくことをお勧めいたします。
また、ボテコシ川の中国チベット自治区側の上流部(錯堅河)が中国国内のプレプチャンツァンポ(普熱普強蔵布河)に合流する地点で、せき止め湖が形成されており、当地予報によると降雨の影響により、今後3日間で同湖が決壊・流出する可能性があり、決壊した場合は、チベット自治区の吉隆口岸をはじめとする下流沿線地域が再び被災する可能性があります。
中国では、すでに被災リスクのある地域の住民や滞留していた観光客を全員避難させたとしているほか、今回被災したチベット自治区シガツェ市に入域するための電子通行証を停止し被災エリアに入域させないようにしておりますので、現地滞在中 および 旅行等で当該地区を訪れている方は、周辺には近付かないようご留意ください。
外務省(MOFA)|ネパール中部ラスワ郡及び中国チベット自治区シガツェ市で発生した水害について(外務大臣メッセージ)
中華人民共和国水利部(Ministry of Water Resources of PRC)|水利部针对西藏启动洪水防御Ⅳ级应急响应
- ラスワ郡(ランタン、ゴサインクンダ、タマン・ヘリテージ、シャブルベシ、ラスワガディ)への渡航は、当局および催行会社が安全を確認するまで見合わせが呼びかけられています
- カトマンズからラスワ、ポカラ、チトワン、チベット国境方面への不要不急の陸路移動は延期が推奨されています。一方、トリブバン国際空港は通常どおり国内線・国際線を運航するとしています
- 在ネパール日本国大使館が日本人5人と連絡が取れていないと発表し、外務省は現地対策本部および対策室を設置、海外緊急展開チーム(ERT)の派遣を指示しています

カトマンズへ渡航・滞在される方への注意喚起
トリブバン国際空港は国内線・国際線の取り扱いを継続しているとしていますが、カトマンズを起点とする陸路移動は広範囲で制限が続いており、在ネパール米国大使館は、ラスワ、ポカラ、チトワン、チベット国境方面への不要不急の陸路移動を、当局が道路を再開するまで延期するよう自国民に呼びかけています。
カトマンズ〜ポカラ間の移動を予定されている方は、道路が部分的に再開しても片側交互通行や長時間の遅延、追加の通行止めが生じる可能性がございますので、国際線への乗り継ぎがある場合は大幅な余裕を持ってご移動いただくか、国内線のご利用もご検討くださいませ。
ネパール水文気象局は8月27日時点で新たな大規模洪水の兆候はないとしていますが、降雨により河川水位の上昇や地滑り、土石流が生じる可能性があるとしています。
ネパール物理インフラ・交通省道路局(Department of Road)|Dashboard
在ネパール米国大使館(U.S. Embassy in Nepal)|Rasuwa Flooding and Major Road Closures
| 区分 | 対象 | 8月28日9時時点で確認されている影響 |
|---|---|---|
| 航空 (定期便) |
トリブバン国際空港 (カトマンズ) |
在ネパール米国大使館の安全情報によると、国内線・国際線を通常どおり取り扱っています |
| 航空 (ヘリコプター) |
カトマンズ〜ラスワ郡 | 15機前後のヘリコプターが救助にあたり、116人以上が救助されています ティムレのヘリポートは流失し、悪天候による引き返しも発生しています |
| 道路 | プリトビ・ハイウェイ (カトマンズ〜ポカラ方面) |
内務省が通行停止・通行自粛を要請 バイレニ〜ガラウディ間の約13kmが土砂に覆われ、道路局が重機15台以上を投入して啓開作業を実施していますが、部分的な再開が進んでも遅延・片側交互通行が想定されます |
| パサン・ラム・ハイウェイ (ベトラワティ〜ラスワガディ) |
約42kmの全区間が複数箇所で損壊・流失(ネパール道路局) コンクリート橋も複数流失しています 国境寄りの約16km区間も流失したと報じられており、復旧には相当の期間を要する見通しです |
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| ムグリン〜ナラヤンガート道路 | 通行規制の対象 不要不急の通行を控えるよう呼びかけられています |
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| ガルチ〜ヌワコット〜ラスワ〜シャブルベシ道路 | ||
| 橋梁 | ラスワ〜ヌワコット〜ダディン | 報道によると41本の橋が使用不能 ダディンではフルケ川の橋に加え、迂回路にあたるケウリニ〜フォスレタール橋も流失しています |
| バス | カトマンズ発の長距離便 | ナグドゥンガおよびビムドゥンガの検問所で規制を実施 四輪・二輪の私有車も対象に含まれています。運行再開は区間ごとに順次判断されています |
| 国境 | ラスワガディ (中国・吉隆口岸) |
両国側の税関庁舎、警察施設、国境橋が破壊されており、通行は不可能な状況です |
| 鉄道 | ジャナクプル〜ジャイナガル線等 | 被災地から離れており、影響は報じられていません |
ランタン地域・カイラス巡礼ルートへの影響
ランタン渓谷、タマン・ヘリテージ、ゴサインクンダ方面の各トレッキングの起点となるシャブルベシは、市街地に深刻な構造被害を受けています。シャブルベシからキャンジン・ゴンパへ至る登山道そのものが全壊したという確認情報は現時点でございませんが、カトマンズからのアクセス道路と橋梁が寸断されているため、当局および現地事業者からは、道路・登山道・渡渉地点の安全確認が完了するまで出発を見合わせるべきとの見解が示されています。
なお、ゴサインクンダについてはドゥンチェから分岐するルート、およびスンダリジャル経由でヘランブー方面から南側から登るルートがあり、後者はラスワ郡を通過しないため相対的に影響が小さいとされています。
また、ラスワガディ経由でチベット側へ抜けるカイラス山・マナサロワル湖巡礼の陸路ルートについては、報道によると国境施設と道路の被災規模から、当初予定どおりの再開は困難との見方が現地事業者から示されています。該当ルートのツアーを予約されている方は、催行会社に催行可否と代替手段をご確認ください。
二次洪水への警戒と通信・電力の状況
ネパール国家災害リスク軽減・管理庁(NDRRMA)はラスワガディ検問所の約18km上流でレンデ川がせき止められて湖が形成されており、この自然堤防が決壊して再び大規模な洪水を引き起こすリスクが残っているとX(旧Twitter)で表明しています。
一方、ネパール水文気象局は8月27日時点で新たな大規模破壊的洪水の兆候は見られないとしており、在ネパール米国大使館もこの見解を引用しています。いずれにせよ河川沿いや低地への立ち入りは避けることが呼びかけられています。
電力面では、ネパール電力庁(NEA)が水力・太陽光を含む約430MWの発電容量に被害が生じ、発電・送電・配電設備の損壊により電力供給に支障が出ていると発表しています。ラスワ郡・ヌワコット郡では通信塔も被災し、携帯電話網に支障が生じていますので、現地での連絡手段が制限される可能性がある点にご留意ください。

免責事項および注意喚起
本記事に記載の情報は、記載時点(2026年8月28日)における公開情報に基づいています。本件は現在も捜索・救助活動が継続中の進行形の災害であり、死者・行方不明者数、道路や国境の通行可否、交通機関の運行状況は今後短時間で変動する可能性があります。
- 渡航前および現地移動の前に、在ネパール日本国大使館、外務省海外安全ホームページ、ネパール国家災害リスク削減管理庁(NDRRMA)、ネパール道路局等の最新情報を必ずご確認ください。
- 上流の堰き止め箇所が残存しているとされ、二次的な洪水が発生する可能性が指摘されています。河川沿いへの立ち入りは避け、当局の避難指示に従ってください。
- 道路の通行規制や公共交通の運行停止は、状況の改善により解除される場合があります。逆に、新たな地滑り等により追加規制が行われる可能性もあります。
- ツアーやトレッキングのキャンセル・変更に伴う補償条件については、ご契約の旅行会社、催行会社、および海外旅行保険の引受保険会社に直接ご確認ください。
- 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、記事内容に基づいて生じた旅行上の損害・不利益、交通機関の遅延・運休、行程変更等について、当サイトは一切の責任を負いません。

