海外

2026.04.16

航空機内でのモバイルバッテリーの取り扱いに関する新ルール施行(4/24〜)

2026年3月27日、国際民間航空機関(ICAO)は理事会において、航空機内でのモバイルバッテリー(パワーバンク)に関する国際基準の緊急改訂を正式に採択しました。

新基準では、乗客1人あたりの持ち込みを2個まで(160Wh以下)に制限し、機内での使用(他の電子機器への給電)および充電を全面的に禁止しています。この新基準は採択日と同日の2026年3月27日付で即時発効し、ICAO加盟193カ国に通達されています。

日本では、国土交通省がこのICAO新基準に準拠する形で「航空機による爆発物等の輸送基準等を定める告示」の一部改正を行い、2026年4月24日から以下の新たなルールを適用すると発表しました。対象は日本の空港を発着するすべての航空便(国内線・国際線、外国航空会社を含む)です。

国際民間航空機関(ICAO)|New power bank restrictions will safeguard international aviation

国土交通省(MLIT)|モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて(4月24日〜)

ここがポイント!
  • 2026年4月24日以降、日本発着便を利用する旅行者は、機内への持ち込み可能なモバイルバッテリーの個数は2個までで、モバイルバッテリーを使用してスマートフォンやタブレット等を充電することができなくなります
  • 座席のUSBポートやコンセントを使ってモバイルバッテリー本体を充電する行為も禁止
  • ノートPCやスマートフォンなど電子機器に内蔵されたバッテリーの使用は従来通り制限されません
    (外付けの充電用バッテリーは「持ち込みは可能だが使用は不可」という扱い)

2026年4月24日以降の機内へのモバイルバッテリーの持ち込み等について

国土交通省および定期航空協会は、2026年4月24日より統一的な取り組みとして下記の通り航空機内におけるモバイルバッテリーの取り扱いの新ルールを適用すると発表しました。

新ルールではバッテリーの種別について、「モバイルバッテリー」と「予備電池」を別に定義しています。
デジタルカメラ等の電子機器から取り外したものを「予備電池」とし、100Wh以下の予備電池については持ち込みの制限はありませんが、100Wh以上160Wh以下の予備電池については、同時に持ち込むモバイルバッテリーの個数および定格量により持ち込める個数が制限されています。

なお新ルール適用後、禁止項目に該当する行為は、航空法により罰則が科される可能性があります。
なお、より厳しいルールを儲けている場合がありますので、詳しくは各航空会社ウェブサイト等にてご確認ください。

国土交通省(MLIT)|モバイルバッテリーの機内持込みの新たなルールについて(4月24日〜)

項目 現行ルール
(2025年7月~)
新ルール
(2026年4月24日~)
機内持ち込み
(預け入れは不可)

(預け入れは引き続き不可)
持ち込み個数 100Wh以下は制限なし
100Wh超〜160Whは2個まで
160Wh以下のモバイルバッテリーは2個まで
(別途予備電池の持ち込み制限あり)
機内での使用
(他機器への給電)

(目視できる場所で)
禁止
機内での
バッテリー充電

(座席電源から)
禁止
保管場所 手元で保管
(収納棚は不可)
手元で保管
(収納棚は引き続き不可)
容量上限 160Wh以下 160Wh以下
(変更なし)

ICAO採択を受けての海外各航空会社の対応等

なお今回のICAO採択を受けて、同様のルールを採用し通達した航空会社や国もございます。

また、すでに韓国、欧州、東南アジア、中東、オセアニアなどの主要航空会社20社以上が、ICAO基準に先行する形で機内でのモバイルバッテリー使用禁止を実施済みですので、ご搭乗される航空会社のルールを改めてご確認くださいませ。

【香港】キャセイパシフィック航空等

2026年3月27日に香港民航局(CAD)は、香港国際空港を発着する全航空会社に対し、乗客1人あたりの持ち込みを2個まで(160Wh以下)に制限し、機内での使用(他の電子機器への給電)および充電を全面的に禁止する通達を発出し、即日施行したとしています。

キャセイパシフィック航空と香港エクスプレスについては既に機内での使用は禁止としていましたが、2個制限が新たに追加されました。また、香港航空とグレーターベイ航空にも同通達が適用されています。

香港民航局(CAD)|Dangerous Goods Advisory Circular DGAC 2/2026 (Lithium battery power banks carried by passengers)

○ キャセイパシフィック航空(CX)リチウム電池式モバイルバッテリーの機内持ち込み制限について
○ 香港エクスプレス(UO)モバイルバッテリーの持ち込みに関する最新情報について
○ 香港航空(HX)Carriage and In-flight Use of Lithium Battery Power Banks
○ グレーターベイ航空(HB)Notice to Passengers - Lithim Battery Powe Bank

【台湾】エバー航空・チャイナエアライン等

2026年4月2日に交通部民用航空局は、ICAOのルール改定を受け、2026年4月8日から機内に持ち込めるモバイルバッテリーの数を乗客一人当たり最大2個に制限し、機内での充電を禁じると発表しました。また、現在は周知期間だとした上で、今後は乗客が再三に渡り指示に従わなかった場合、最高10万台湾元(約50万円)の過料を科す可能性があるとしています。

台湾の航空会社では2025年2月28日から機内でのモバイルバッテリーの使用や充電は既に禁止されています。
なお、チャイナエアラインでは2026年3月31日以降、最大2個までの制限が適用されるとウェブサイト上で発表しています。

フォーカス台湾日本語版|台湾、モバイルバッテリーの航空機内持ち込み「2個まで」 8日から

○ エバー航空(BR)機内におけるモバイルバッテリー使用規定を改定
○ チャイナエアライン(CI)Effective March 31, 2026, each passenger is allowed to carry maximum of two power banks
○ スターラックス航空(JX)モバイルバッテリーのご利用に関するお願い
○ タイガーエア台湾(IT)重要なお知らせ(公式facebook)

【タイ】タイ国際航空

タイ国際航空は、機内におけるモバイルバッテリーの取り扱いについて新たな安全方針を発表し、2026年3月27日からモバイルバッテリーの持ち込みは1人当たり最大2個まで、かつ機内での使用および充電は禁止とする旨発表しています。

【シンガポール】

シンガポール民間航空庁(CAAS)は、2026年4月15日午前0時01分から、シンガポールを出発する便の乗客に対し、モバイルバッテリーの機内持ち込みを1人あたり2個まで制限すると発表しました。

規制の対象となるのは、機内持ち込み手荷物に収納するすべてのモバイルバッテリーで、容量100Wh以下のものは事前承認不要、100〜160Whのものは航空会社の事前承認が必要となります。160Whを超えるものは引き続き持ち込み禁止となり、2個を超えて持ち込もうとする乗客は、搭乗前に超過分を廃棄しなければならないとしています。

また、モバイルバッテリーを機内でUSBポート等から充電すること、およびモバイルバッテリーを使用して個人端末を充電することは禁止されます。

シンガポール民間航空庁(CAAS)|New Power Bank Safety Restrictions To Be Implemented On Flights Departing Singapore

【韓国】

韓国国土交通部は2026年4月8日、国際民間航空機関(ICAO)によるモバイルバッテリーの安全基準改正の最終承認を受け、2026年4月20日から改定規則が施行されると発表しました。

これにより、韓国の航空機内に持ち込めるモバイルバッテリーは1人あたり最大2個に制限され、機内でのバッテリーを用いた充電・使用が全面禁止となります。日本から韓国を訪れる旅行者や出張者の方におかれましては、下記十分ご注意ください。

韓国国土交通部(MOLIT)|2026年4月8日公式発表(韓国語)

区分 容量(目安) 韓国国内基準(現行) 改定後(4月20日〜)
持ち込み数量・使用可否 持ち込み数量・使用可否
持ち込み数量 100Wh以下
(〜約27,000mAh)
最大5個/1人 1人あたり160Wh以下のものを最大2個まで
(100〜160Whは航空会社の承認が必要)
100〜160Wh
(約27,000〜43,000mAh)
最大2個/1人
(航空会社の承認が必要)
160Wh超
(約43,000mAh超)
持ち込み不可 持ち込み不可
モバイルバッテリー本体の充電 充電禁止 充電禁止
機内での使用
(他のデバイスへの充電)
制限なし
(航空会社が自主的に使用禁止)
使用禁止

規制強化の背景

今回の規制強化の直接的な契機となったのは、2025年1月28日に釜山・金海国際空港で発生したエアプサンBX391便(エアバスA321型機)の火災事故です。出発準備中に座席上の収納棚に入っていたモバイルバッテリーが原因とみられる火災が発生し、乗客27名が負傷、機体は全損しました。

その後も世界各地で機内でのリチウムイオン電池関連の発煙・発火事故が増加しています。日本国内でも2025年10月にNH994便(那覇→羽田)で座席下のモバイルバッテリーから煙が発生する事案が報告されています。米国連邦航空局(FAA)も2025年に機内でのリチウム電池関連インシデントの増加を指摘しており、ICAOはこれらの事態を受けて危険物パネル(Dangerous Goods Panel)での検討を経て、国際基準の緊急改訂に踏み切りました。

リチウムイオン電池は外部衝撃や高温環境、製品の劣化などにより内部短絡(ショート)を起こすと、熱暴走と呼ばれる急激な発熱反応を起こし、発煙・発火に至る危険性があります。特に、モバイルバッテリーはノートPCやスマートフォンと異なり内蔵の温度管理機構を持たない製品が多く、充電中や使用中に異常が発生した場合のリスクが高いとされています。


免責事項および注意喚起
本記事の情報は2026年4月15日時点のものであり、ICAO基準の発効後の各国・各航空会社の対応状況に基づいています。

  • 航空会社ごとに独自の追加規制(個数・容量・事前承認の要否など)を設けている場合があります。搭乗前に利用する航空会社の最新のガイダンスを必ず確認してください。
  • 本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、当サイトは本記事の情報に基づく損害について一切の責任を負いかねます。

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