更新日:2023.03.27
ラマダン(Ramadān:断食月)はいつ?
ラマダンとは断食を行う神聖月で期間は毎年異なります。
ラマダンの期間はイスラム暦(ヒジュラ暦)の為、太陽暦にすると毎年同じ日にはなりません。
またラマダンの始まりは、月の観測で新月から三日月になるのが必要だとする国もあるため国によって期間が異なることもあります。
ラマダン終了後には約3日間イードと呼ばれるラマダン明けの祭りが行われます。
西暦 |
イスラム暦 |
開始日 | 終了日 |
2015年 | 1436年 | 6月18日 | 7月16日 |
2016年 | 1437年 | 6月06日 | 7月05日 |
2017年 | 1438年 | 5月27日 | 6月24日 |
2018年 | 1439年 | 5月16日 | 6月14日 |
2019年 | 1440年 | 5月06日 | 6月07日 |
2020年 | 1441年 | 4月24日 | 5月23日 |
2021年 | 1442年 | 4月13日 | 5月12日 |
2022年 | 1443年 | 4月1日 | 5月1日 |
2023年 | 1444年 | 3月22日 | 4月23日 |
ラマダン期間中の海外渡航・滞在に関する注意喚起(2023年3月22頃~4月23日頃)
イスラム暦(ヒジュラ暦)
純粋太陰暦であるイスラム暦(ヒジュラ暦)は、閏月による地球が太陽を回る周期との補正を行わず、一ヶ月が29日の月と30日の月を交互に繰り返していきます。
従って1年間が354日となるので、1年ごとに11日ほど太陽暦とずれて行きます。
およそ33年で季節が一巡するため、「ムスリムは同じ季節のラマダンを人生で2度経験する」と言われています。
ラマダンとは
ビジュアラ暦の第9月の事で、このラマダンの間は、イスラム教徒の五行のひとつである「断食(サウム)」が行われます。
◎イスラム教徒の五行:信仰の告白(シャハーダ)、礼拝(サラート)、喜捨(ザカート)、断食(サウム)、巡礼(ハッジ)
断食は飲食物の摂取量を減らすことが目的ではなく、あくまで宗教的な試練として10歳以下の子どもや妊婦、病人を除くイスラム教徒に課せられます。
この約一ヶ月間は完全に絶食すると言うわけではなく、日の出ている間は水分程度の補給に控え、日没から日の出までの間に一日分の食事を摂る決まりになっています。
ラマダン中は夜食が盛大になり通常より食糧品の売れ行きが良くなるといわれています。
また、喫煙、性行為、けんか、不適切な言動も日の出から日没の間は禁止されています。
ラマダン期間中の注意事項
お互いに相手の宗教に敬意を払うという気持ちが大切です。
非イスラム教徒も断食中のイスラム教徒の面前での飲食・喫煙を控えるのが礼儀とされています。目につく形で日中に飲食する場合は,一言断る程度の配慮が必要です。
ラマダン期間中、イスラム教徒にはアルコールが販売されません。大きなホテルの場合、旅行者にのみ提供されます。
仕事は平常どおりにするのが義務とされておりますが,大半の商店、銀行、企業の営業時間が短縮され、9 時~14 時までとなります。
近年ラマダン月及びその前後の期間に世界中で多数のテロ事件が発生しています。渡航の際は多くのテロが発生していることを認識して,対策をとってください。
5月22日 | 英国 | マンチェスター・アリーナにおける自爆テロ事件 |
5月24日 | インドネシア | ジャカルタにおける自爆テロ事件 |
5月31日 | アフガニスタン | カブール中心部での自爆テロ事件 |
6月2日 | フィリピン | マニラのリゾートホテルにおける銃撃事件 |
6月3日 | 英国 | ロンドンでの車両突入襲撃テロ事件 |
6月5日 | オーストラリア | メルボルン立て籠もり事件 |
6月6日 | フランス | ノートルダム大聖堂前における警察官襲撃テロ事件 |
6月7日 | イラン | テヘランにおける襲撃テロ事件 |
6月18日 | マリ | バマコ郊外リゾート施設における襲撃テロ事件 |
6月20日 | フランス | シャンゼリゼ通りにおける憲兵隊に対する車両突入事件 |
6月20日 | ベルギー | ブリュッセルの駅構内での爆発事件 |
6月21日 | アメリカ | ミシガン州フリント市内国際空港での襲撃テロ事件 |
6月25日 | インドネシア | スマトラ島警察官襲撃テロ事件 |
6月6日 | ヨルダン | バカア難民キャンプ襲撃テロ事件 |
6月12日 | アメリカ | フロリダ州オーランド市内ナイトクラブ襲撃テロ事件 |
6月13日 | フランス | パリ郊外における警察官刺殺事件 |
6月21日 | ヨルダン | ルクバーン難民キャンプ爆弾テロ事件 |
6月27日 | レバノン | バールベック・ヘルメル県における自爆テロ事件 |
6月28日 | トルコ | イスタンブール・アタテュルク国際空港襲撃テロ事件 |
6月28日 | マレーシア | クアラルンプール郊外ショッピングモール爆弾テロ事件 |
7月1日 | バングラデシュ | ダッカ襲撃テロ事件 |
7月3日 | イラク | バグダッドにおける自動車爆弾テロ事件 |
7月4日 | サウジアラビア | ジッダ,カティーフ,メディナにおける自爆テロ事件 |
7月14日 | フランス | ニースにおけるトラック突入テロ事件 |
7月18日 | ドイツ | ヴュルツブルグ近郊列車における襲撃テロ事件 |
7月24日 | ドイツ | アンスバッハの野外音楽祭での爆弾テロ事件 |
ラマダン時期にテロが増える理由の一つは過激派にとって寄付が最も多く集まる時期だからと言われています。
寄付は喜捨(ザカート)と呼ばれ、イスラム教徒の五行の一つで生活に必要な分を除き、持っている財産の2.5%を寄付をすることになっています。
特にラマダン期間中の寄付は功徳が高いと言われているため、多くのお金が動きます。
イスラム過激派は、こうした寄付によって成り立っているため、寄付の多く集まるラマダン月にテロなど目立ったことを行うことで、より多くの寄付を集めようという狙いがあります。
ビザ申請時の注意
ラマダン期間中イスラム諸国大使館ではビザ申請・受領の受付時間を短縮することがあります。
またラマダン明けは多くのイスラム諸国大使館が休館となります。
ラマダン明けは月の満ち欠けにより決まるため、間際の休館発表となる大使館もありますのでビザの申請は日程に余裕を持って行って下さい。